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『國弘正雄の英語の学びかた』通訳の神様かく語りき

國弘正雄といえば通訳の神様として知られる超人。

外務省参与として外交交渉の場で活躍し、NHKの教育テレビ講師としても世間にその名をとどろかせていました。

この人の推奨する英語勉強法は、音読です。

今ではありふれた学習法ですが、日本の英語学習に音読を普及させたのも実はこの人なんです。

今回、その國弘正雄の『英語の学びかた』を読んでみました。

國弘正雄の名著といえば『英語の話しかた』が有名。僕も3回か4回は読んでます。ただしあちらは絶版で手に入りにくいんですよね。

『英語の話しかた』が約350ページの分量であるのに対して、この『英語の学びかた』は140ページの小ぶりな本。とはいえ実践的な学習法については本書でも網羅されていますから、英語学習者が学習のヒントをもらう目的で読むのならこっちでも十分だと思います。

國弘正雄の音読学習はどのような手順で行われるのか?

以下、ざっくり解説してみたいと思います。

ステップ1 テキストを選ぶ

まずは音読用のテキストを厳選するところから開始します。

國弘正雄が注意するのは以下の4点。

・できれば音声(CD)がついているもの
・中学1~3年レベルのもの
・ざっと見て内容がやさしそうなもの
・量の少ないもの

ポイントは音声の付属しているテキストを使うこと。國弘は「できれば」と言っていますが、実際にはできればどころか必須だと思います。

最近の研究によると、音読の効果を引き出すにはモデル音声が欠かせないことが明らかになっているんですよね。ここをはるか昔から取り入れていたのはさすが國弘正雄という感じ。

また、テキストはやさしめのものを使います。ここも重要ポイント。

國弘のいう音読とは「意味のわかった英文をひたすら繰り返し音読する」ことをいいます。「意味のわかった」というところが大事。意味のわかっていない文章を音読しても、それほど効果は期待できません。ちなみにこれも最近の研究で裏付けられています。

なお國弘が音読用の教材としておすすめしているのは、中学の英語教科書です。

 

ステップ2 音声を聞きながらテキストの意味を理解する

次にテキストの英文をしっかりと理解していきます。注意すべきポイントは次の3つ。

・「区切りのグループ」に意識する
・最低でも10回聞く
・聞いた回数は記録しておく

区切りのグループというのは、意味のかたまりで英文を区切ったもののこと。たとえば

There is a book on the table.

という英文があったとして、これをThere is(ある)、a book(本が)、on the table(机の上に)という意味のかたまりごとに区切ります。音読するときはこの区切りを意識すべきというのが國弘の教え。

だから最初の英文理解のステップで、意味の区切りを理解しておいたほうがいいんですね。

次に音声を聞いていきます。最低でも10回(できれば40~50回)は繰り返し聞けとのこと。50回はおそらくほとんどの人が心折れるでしょうから、まあ10回でいいですよね。

個人的にはここでシャドーイングを取り入れることをおすすめします。音読にはどうせ音声利用が不可欠なのですから、シャドーイングを取り入れてさらに学習効果を増やすのが効率的です。

関連:シャドーイングから効果を引き出す方法【簡単な教材を使いましょう】

 

ステップ3 単語の発音練習をする

ここもさすが國弘正雄という感じですが、単語レベルでの発音練習を推奨しています。

スピーキングのみならず、実はリスニング力を伸ばすのにもこれは重要になってきます。『英語耳』が指摘するように、発音できない音は聞き取れないからですね。

このステップはめんどくさいんでなかなか完遂できないとは思いますが、スピーキングやリスニングの能力を伸ばす必要のある人は、ここにも力を入れるのがいいでしょう。

 

ステップ4 文章を音読する

さていよいよ音読をしていきます。ポイントは以下の3点。

・「区切りのグループ」を意識する
・細かいことを気にせずに、楽しみながら!
・間違いを恐れずに、大きな声で元気よく!

英文理解のステップで意識しておいた「区切りのグループ(英文を意味のかたまりで区切ったもの)」に注目しながら音読します。

漠然と音読するんじゃなくて、区切りのグループごとに意味内容をイメージ化していくのが大事とのこと。

このイメージ化が音読のカギです。國弘は、冠詞の種類や単数・複数形の違いによっても思い浮かべるイメージは変わってくるべきだと言っています。

色々と必須のステップを踏みましたが、ここまできたら完璧主義を捨てるのが大事。細かいことは気にせずに、英語を楽しみながらガンガン音読しようと著者はいざないます。

 

以上、國弘正雄の名著『英語の学びかた』をざっくり解説しました。他のおすすめ英語学習本については以下の記事を参考にしてみてください。

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