「英語を学び直したいけれど、何から始めればいいのかわからない…」
「何度も挑戦したけれど、途中で挫折してしまった…」
そんな悩みを抱えていませんか?
大人になってからの英語学習は、正しい順番と方法を知っているかどうかで成果が大きく変わります。実は、やみくもに英会話を始めるよりも、第二言語習得の科学に基づいた学習法を取り入れたほうが、効率よく確実に英語を身につけられるのです。
この記事では、英語初心者の大人が「ゼロからペラペラになる」ための具体的な学び直しのステップを、わかりやすく解説します。最短ルートで英語を習得したい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
大人の英語学び直しを成功に導くステップ
多くの日本人は学校で英語を学びますが、「英語をどう学べばいいのか」はほとんど教えられませんよね。
そのため、大人になってから学び直そうとすると、何から手をつければいいのかわからず、やみくもに勉強してしまいがちです。
しかし、現代では第二言語習得研究(SLA:Second Language Acquisition)によって、効果的な外国語学習の方法が明確になっています。
これに従って学習を進めれば、英語力を効率的に伸ばすことが可能です。
英語学習の正しい順序:インプットから始める
第二言語習得論によると、外国語を習得するための鍵は「理解できる英語を大量にインプットすること」にあります。ここで重要なのは、ただ英語に触れるのではなく、自分が理解可能な英語を積極的に取り入れることです。
そのためには、まず語彙と文法の基礎を固めることが不可欠です。
なぜなら、単語や文法の知識が不足していると、どれだけ英語の文章を読んでも、どれだけリスニングしても、内容が理解できないからです。その結果、インプットの効果が薄れてしまいます。
つまり、英語学習は次の順序で進めるのが理想的です。
2. 理解可能な英語を大量にインプット(リーディング&リスニング)
3. インプットの土台ができたらアウトプット(ライティング&スピーキング)
インプットとアウトプットの適切なバランス
インプットとアウトプットはどちらも大切ですが、学習の初期段階では圧倒的にインプットの量を増やすことが重要です。
具体的な割合は、「インプット:アウトプット=8:2」 が理想的。
例えば、1日1時間の学習時間を確保する場合ですと…
インプット(リーディング&リスニング):48分
アウトプット(ライティング&スピーキング):12分
このバランスを意識することで、効率よく英語力を伸ばすことができます。
逆に、いきなり英会話スクールに通うなどしてアウトプットに偏りすぎると、インプットが不足し、伸び悩む可能性があるので注意が必要です。
「まずはしっかりとインプットを積み重ね、その上でアウトプットを強化する」
これが、大人の英語学び直しを成功させる鍵になります。
社会人が英文法をゼロからやり直す勉強法
一番最初に取り組むのは英文法です。
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英単語じゃなくていいの?
後述するように、英単語は長文のなかで覚えていくのがいちばん楽です。しかし、英文法の基礎を知らないと、簡単な長文でも読めないですよね。だから文法を先に学習したほうが効率的です。
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でも英単語を知らないと英文法の参考書なんて読めないような…
今度はこう思ったかもしれません。しかし、中学生向けの定評ある英文法テキストは、英単語を知らない状態でも読めるように構成されています。
新出単語にはかならず意味が書いてあり、文法を学びながら自然と単語も覚えられます。
だから初期のうちは、英文法のテキストにじっくり取り組めば、英単語の学習にもなります。
英文法の学習法
「学生時代から英文法はトラウマなんだけど…」
こう感じる人もいるかもしれません。
しかし安心してください。実践で必要となる英文法は基礎的なものばかりで、変に複雑なのは出てきません。
文法の専門用語(「分詞構文」とか)を暗記する必要もまったくなし。必要なのはそれらの用語が意味する文法を理解・運用できるようになることです。
次で紹介する定評のある英文法テキストを買って、適切な指示通りに取り組めば、ストレスを感じることなく基礎をマスターできるでしょう。
おすすめの英文法参考書
中学英語の英文法を学び直すには、『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく』がおすすめです。
高校英語の英文法は『総合英語エバーグリーン』を使うとよいでしょう。中学英語さえ身についていれば、楽に進めることができます。
英文法の参考書についてより詳しい解説は、以下の記事を参考にしてみてください↓
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社会人が英単語をゼロからやり直す勉強法
英文法をある程度理解し、簡単な英文が読めるようになったら、次に取り組むべきは英単語の習得です。
語彙力が不足していると、文章を読んでも意味が取れず、リスニングでも聞き取れる単語が少なくなってしまいます。
とはいっても、単語帳をひたすら暗記するのは非効率で、挫折しやすい学習法です。では、社会人が効率よく英単語を身につけるにはどうすればよいのでしょうか?
長文のなかで単語を覚える
単語学習の鍵は、「文脈の中で覚えること」です。単語単体で覚えるよりも、文章の中で出てくる単語を学んだほうが、記憶の定着率が高まります。
文脈の中で覚えるメリット
・読解力も同時に向上し、一石二鳥の効果がある
・付属の音声を活用すれば、リスニング力も同時に強化できる
おすすめの英単語教材はこれ
英単語を効率よく学ぶには、「速読英単語」シリーズが最適です。
なぜ「速読英単語」シリーズが良いのか?
・見出し語がストーリー仕立ての長文の中で登場する
・長文を読むことで、英語の構造を理解しながら単語を学べる
・音声を活用すれば、リスニング力も一緒に伸ばせる
効果的な学習方法
「速読英単語」を使う場合、次のステップで学習すると効率的です。
2. 知らない単語をチェックし、意味を確認する
3. 再び長文を読み、文脈の中で単語の使い方を意識する
4. 音声を聞きながら音読する
5. 翌日と1週間後に復習し、記憶を定着させる
この方法なら、単語だけでなく、リーディング・リスニング力も同時に鍛えることができます。
英単語テキストの使い方について、より詳しい解説は以下の記事を参考にしてください↓
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リスニングの勉強方法
リスニングは英文法と英単語の学習と並行して行います。
なぜそうするかというと、英文法と英単語のテキストがそのままリスニング教材になるからです。
・英文法の参考書なら『中学英語英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく』
・英単語の参考書なら『速読英単語』シリーズ
この記事で紹介した2つの参考書。どちらにも音声が付属しています。この音声を徹底活用して、リスニングのトレーニングをします。
リスニング学習の手順
リスニング学習は次の手順で行います。英文法のテキストを例に解説します。
2. 音声を聞きながらページに書かれている英文を読む
3. 音声を聞きながら英文を自分でも口に出して言う(音読)
4. 音声を聞き、何も見ずに音声を真似して言う(シャドーイング)
これで英語のリスニング力はぐんぐん伸びていきます。
リスニングトレーニングの詳しいやり方については、以下の記事を参考にしてみてください↓
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なぜ「学習済みの教材」を使うのか?
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すでに文法とか単語の勉強で学習し終わった教材を使って意味あるの?知らない英語を聞いて理解しないとリスニング力は伸びないんじゃないの?
このように思われたかもしれません。
しかし、リスニング力を伸ばすカギは、「理解可能な英語を」大量に耳からインプットすることなのです。だから、すでに学習し終わった英文法や英単語のテキストを使い回すのがベストなんですね。
未知の音声じゃなくてもちゃんと効果はでます。むしろ初期のうちに新規の音声を使うと、雑音として聞き流されてしまうリスクが高まります。
シャドーイングの活用について
ステップ4のシャドーイングは難易度の高いトレーニングなので、最初のうちは無理してやる必要ないかもしれません。
ステップ3の音読で終わりにしてもよいでしょう。なお音読は最低5回行います。
正しい音読のやり方についての詳細は以下の記事を参考にしてみてください↓
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ある程度英語の音と文章に慣れてきたら、ぜひシャドーイングを取り入れてみてください。個人的にはこれが最強のリスニング学習法だと思っています。
僕もリスニングには苦手意識があるほうだったのですが、シャドーイングを取り入れたら聞く力が伸び、TOEICも900点に到達しました。
シャドーイングの詳細は、以下の記事を参考にしてみてください↓
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英作文とスピーキングの勉強方法
インプット(英単語と英文法)のトレーニングを通じて、英語の基礎がしっかりと身につきました。
ここからは、いよいよアウトプットのトレーニングを始めていきます。
では、最初に何をすべきでしょうか?
答えは「瞬間英作文」です。
瞬間英作文とは?
瞬間英作文とは、日本語の文を見た瞬間に英語へと変換し、すぐに口に出すトレーニングです。
この練習を積み重ねることで、これまでインプットしてきた英語の知識が「使える英語」としてアウトプット回路につながります。
瞬間英作文を続けると、ライティング(英作文)とスピーキングの基礎力が身につき、英語がスムーズに出てくるようになります。
瞬間英作文トレーニングの進め方
例:「彼は毎日ジョギングをする」 → “He jogs every day.”
2. 答えを確認し、間違えたら正しい文を何度か声に出す
3. スピードを意識しながら、できるだけ瞬時に英語を口に出す練習を繰り返す
このトレーニングを継続することで、英語の「考える時間」を減らし、スピーキングの流暢さを高めることができます。
瞬間英作文トレーニングにおすすめの教材
瞬間英作文の教材は、中学レベルの英語で構成されています。したがって、中学の英文法と英単語を習得した段階で、すぐにトレーニング開始できます。
おすすめの教材は…
・『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』(森沢洋介 著)
→ 簡単な英文から始められる定番の一冊。文法ごとに整理されており、初心者にも最適。中学生から使用できます。
・『瞬間英作文アプリ』(スマホアプリ)
→ スキマ時間にサクッと練習できるので、継続しやすい。
瞬間英作文に使えるおすすめ教材については、以下の記事も参考にしてみてください↓
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さらなるライティングとスピーキングの力を手に入れる学習法
瞬間英作文を通じて、ライティングとスピーキングの基礎がしっかりと身につきました。
では、ここからさらにアウトプットの力を伸ばすにはどうすればよいでしょうか?
ライティング力とスピーキング力を本格的に鍛えるための3つのステップを紹介します。
① アカデミックライティングの型を身につけよう
英語のライティングでは、ある「型」に沿って書くことが求められます。この「型」を習得することで、論理的で伝わりやすい英作文が書けるようになります。
特に、英検の英作文や大学のレポート、ビジネスメールなどでは、この型に沿ったライティングが必須です。
このようなフォーマットに従った英作文は、「アカデミックライティング」とも呼ばれます。
✅ おすすめ教材:『英作文ハイパートレーニング』(清水建二 著)
→ 高校生向けながらレベルが高く、論理的な英作文の書き方を学べる。
→ これを終えたら、英検準1級・1級の英作文テキストへと進むとさらにスキルアップできる。
英作文テキストについては、以下の記事でより詳しく紹介しています↓
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② 英語日記でライティング力を鍛えよう
ライティング力を伸ばすには、型を身に着けただけでは足りません。「たくさん書くこと」が必要になってきます。
そのためにおすすめなのが「英語日記」です。ポイントは…
・「今日は○○をした」「○○が美味しかった」「○○について考えた」など、シンプルな内容でOK
・習慣化が大事なので、無理なく続けられる長さで書く
英語日記をより効果的にするワザ
ChatGPTを活用することで、英語日記の効果をブーストさせられます。
→ 書いた文章をChatGPTに添削してもらうことで、正しい英語を身につけられる
→ より自然な言い回しを学び、英語の表現力がアップする
ChatGPTを活用した英語日記の書き方については、以下の記事も参考にしてみてください↓
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③ スピーキング力を本格的に伸ばすにはオンライン英会話
スピーキング力を伸ばすために最も効果的なのは、実際に英語を話す時間を増やすこと。
そのためにおすすめなのが、オンライン英会話です。
なぜオンライン英会話が効果的なのか?
・すべてのレッスンが自分専用 → 1対1なので、自分のレベルや目的に合わせて学べる
・コストパフォーマンスが高い → 通学型の英会話スクールよりも安価で続けやすい
グループレッスンの英会話スクールでは「実際に自分が話す時間が少ない」ため、スピーキング力の伸びが遅くなりがちです。
その点、オンライン英会話なら話す時間を最大化できるので、効率的にスピーキング力を鍛えることができます。
オンライン英会話の活用法
・レッスン前に話したい内容を準備する
・レッスン後にフィードバックをまとめて復習する
・日記や瞬間英作文で練習した表現を実際に使ってみる
これらの方法を使えば、他の学習とオンライン英会話に相乗効果が生まれます。
おすすめのオンライン英会話サービスは以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください↓
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忙しい社会人が英語学習を継続させる秘訣とは?
「英語学習のやり方はわかったけど、仕事や家庭が忙しくて…」という人もいるはずです。そんな社会人でも無理なく英語を続けられる方法を紹介します。
スキマ時間を使う
忙しい社会人は、まとまった時間を作るのが難しいです。しかし、1日の行動を振り返ると意外とスキマ時間があるものです。
たとえば…
・通勤時間(電車やバスの中でリスニングや単語学習)
・昼休み(スマホで英語ニュースを読む)
・移動中や待ち時間(ポッドキャストや英語音声を聞く)
・家事をしながら(料理中や洗濯中に英語音声を流す)
・寝る前の10分(その日の英語学習を復習)
こういったスキマ時間を活用すれば、1日1時間くらいは学習時間を確保できます。
英語学習を習慣化できる魔法のワザ
新しい行動を習慣にするには、すでに習慣化されている行動に紐づけていくのがおすすめです。
これはジェームズ・クリアーのベストセラー『複利で伸びる一つの習慣』にて紹介されていたワザ。
たとえば…
・朝のコーヒータイムに英語のフレーズを音読する
・歯磨き中に英語のリスニングをする
・電車に乗ったら英語の長文を読む
・夕食後に単語アプリを5分間やる
・お風呂上がりに1フレーズ英作文をする
このように、日常のルーチンに英語学習をくっつけていくことで、無理なく習慣化できます。
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目標設定をする
自分なりの目標を持つことも、学習を継続するうえで大切です。明確な目標があると、「英語に疲れたな……」というときにもモチベーションを維持しやすくなります。
おすすめは資格試験を活用することです。
・TOEICや英検を受けてスコアアップを目指す
・まずはTOEIC600点、英検なら2級(高校卒業レベル)を目指す
・目標達成後は次のレベル(TOEIC750点、英検準1級)に挑戦する
・資格試験を受ける日を決めて、それに向けた学習計画を立てる
資格試験のスコアが伸びると、自分の成長を実感でき、さらに学習のモチベーションが高まります。
初心者がTOEIC600点を取る方法を解説した記事↓
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独学に自信がないならコーチング
この記事では、英語の勉強を何から始めるか迷っている大人に向けて、学習ロードマップを解説してきました。忙しい社会人こそ、このような「正しい英語学習法」が威力を発揮します。
とはいえ、次のように感じる人もいるはず。
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独学だと続けられる自信がないし、具体的に何をしたらいいのか迷ってしまう…
このような場合は、プロに手助けしてもらう手もあります。
英語コーチングなら学習をサポートしてもらえる
英語コーチングとは、学習内容の設計から、日々の学習管理や悩み相談までサポートしてくれるサービスです。受講生一人ひとりに専属のコーチがつきます。
英語コーチングの内容は、たとえば…
日々の学習管理:進捗を確認し、必要に応じて学習方法を修正
定期的なフィードバック:効果的な学習法や改善点をアドバイス
モチベーションの維持:独学では挫折しがちな場面でも、コーチのサポートで継続できる
英語コーチングを受けることで、次のような効果を体感できるでしょう。
モチベーションが維持しやすい:一人で続けるよりも確実に学習を継続できる
苦手分野を的確に克服できる:弱点を分析し、最適な学習方法を提案してもらえる
時間管理がしやすくなる:社会人でも無理なく学習を続けられるプランを提案
おすすめの英語コーチングサービスは?
ここでは、目的に合わせたおすすめの英語コーチングサービスを3つ紹介します。
コーチバディ|スピーキング特化型英語コーチング
スピーキングに特化したマンツーマン指導で、実践的な会話力を鍛えたい人に最適。専属コーチが学習プランを設計し、定期的なフィードバックを提供します。
☑無料のWebカウンセリングを受けてみる→ オンライン英語コーチ「スピークバディ パーソナルコーチング」
【ビジネス特化型オンライン英語コーチング】Bizmates Coaching(ビズメイツ コーチング)
ビジネス英語に特化したコーチングで、仕事で英語を使う機会が多い人向け。ビジネスシーンに即した英会話やプレゼン練習ができるのが特徴です。
☑公式サイトをチェック→ ビジネス特化型英語コーチング Bizmates coaching(ビズメイツ コーチング)
1年英語マスタープログラム「トライズ」
1年間の徹底したプログラムで、英語を確実に習得することを目指すコース。日々の学習サポートが充実しており、継続する仕組みが整っています。
まとめ
大人の英語学び直しを成功させるには、正しい学習順序と継続できる方法を選ぶことが重要です。
まずは英文法の基礎を固め、理解可能な英語を増やすことから始めましょう。その後、長文の中で単語を学びながらインプットを強化し、リスニングを並行して進めることで、英語の「音」にも慣れていきます。
インプットが一定量を超えたら、瞬間英作文を活用してアウトプットの練習を開始。さらに、ライティングとスピーキングのトレーニングを取り入れることで、実践で使える英語力を身につけることができます。
英語学習は「やみくもにやる」のではなく、「第二言語習得の理論に基づいた効果的な方法で継続する」ことがカギです。本記事で紹介した学習ステップを実践し、着実に英語力を伸ばしていきましょう。