英文を暗唱すると効果が凄いらしいけど、なかなか暗記できないな…。なんかコツとかあるのかな?
英語の長文をなんども音読し、完全に記憶してしまう。こうして暗記した長文をテキストを見ずに唱えることを、英語の暗唱とよびます。
この英文暗唱はとても強力な学習法で、古来シュリーマンや國弘正雄といった語学の名人がこの方法をすすめてきました。また現在ではその効果が科学的に裏付けられています。
ということでぜひとも音読からの暗唱を取り入れたいところですが、これにはコツがあります。漠然と音読しているだけではなかなか暗唱できるようにはならないんですよね。
どうすればいいのか?ポイントは次の3つです。
・音読の前にテキストを完全に理解しておく
・全体から部分へ
以下、くわしく解説していきますね。
モデル音声を用意する
まず音声を用意しましょう。これは初級者~中級者のあいだはほぼ必須です。言いかえると、音声付きのテキストしか暗唱の題材にはならないということですね。
教材はなんでもいいです。普段使っている音声付きテキストがあるならそれを流用してもいいですし、もっと面白みのある文章を暗記したいという人はレベルド・リーダーズなどを活用してみてもよいでしょう。
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音読するときは、モデル音声の発音とイントネーションを真似していきます。
こうすることで記憶力とリーディング力のみならず、リスニング力やスピーキング力を含めた英語力が総合的に伸びていきます。音読にはモデル音声が欠かせません。
暇な時間には、暗唱対象のセクションを繰り返し流し聞きするのがおすすめです。記憶の定着が進むとともに、リスニングの訓練にもなります。
テキストを完全に理解する
音読からの暗唱という流れは、すでに理解している文章で行わないとあまり効果が出ません。ですからまずはテキストを完全に理解するところから始めます。
まずは普通にリーディングしていきましょう。わからないとこをを洗い出すイメージで、最後までざっと読みます。モデル音声を聞きながら読むのがベスト。発音やイントネーションも確認します。
知らない英単語があったら和訳を見てチェック。文章の文法構造も完全に把握してしまいましょう。
自力で考える必要はなく、和訳を見てもいいですし人に聞いてもいいです。とにかくテキストを完全に理解できればなんでもオーケー。
この作業で文章の中身と構造を理解したら、次に実際に音読していきます。
全体から部分へ
さて実際に英文を暗唱していくのですが、まずは全体を軽く音読します。これを10回ぐらいやりましょう。
前のステップで確認した英単語の意味や文章の構造を意識しながら、さっと読んでいきます。ただ音声を口に出しているだけにならないように、頭の中でつねに文章内容をイメージ化するのがポイントです。モデル音声をものまねするように音読できればベスト。
まだ覚えようとしなくていいです。全体的なイメージを把握するだけで十分。文章の中盤にはあんなことが書かれていたなとか、後半にはあんな文法が登場したなとか、漠然とした全体像をつかめると思います。それでオーケー。
全体を把握できたら、今度は1文ずつ積極的に覚えていきます。
まずは1回だけ全体を音読し、2回目は暗記対象のセンテンスだけ10回音読。最後にまた全体を1回音読。これが1セットです。
これで1センテンスはだいたい暗記できているはず。
次の回は前回暗記したセンテンスの次のセンテンスを暗記していきます。手順は同じ。
まずは全体を一回音読。ここで前に暗記したセンテンスの復習も完了します。次は暗記対象のセンテンスを10回音読。最後にまた1回全体を音読して仕上げ。
これを全てのセンテンスに対して繰り返します。漠然と全体を音読しまくるよりも、こっちのほうが確実に記憶に定着しますよ。
英文の音読は何回繰り返せばいい?
音読は何回も繰り返すことで効果が現れます。暗唱できるようになってもそこで終わりにせず、しばらくその文章にこだわって音読ないし暗唱を繰り返してください。
何回までやればいいのでしょうか?
通訳の神様として知られる國弘正雄は中学の教科書を500回繰り返したといいます。
さすがに500回だと常人の域を超えていますので、とりあえず100回を目処にすればいいと思います。
漠然と100回音読するだけでは暗唱までもっていけない可能性があります。しかしこの記事で解説した方法を使えば、ほぼ確実に100回未満で暗唱できるようになっているはず。
1日10回音読すれば10日で1セクションの暗唱が終わる計算です。1ヶ月で3個、1年間で36個の英語長文が自分のなかにストックされます。
1年続けるだけでも英語力が爆上がりしますよ。
暗記した英文は暇な時間に暗唱するといいです。たとえばトイレに入ったら1回暗唱するまで外に出ないとかおすすめ。
暗記した英文を紙に書くのも効果高いです(これは意外と難しい)。これをすると英作文の力が伸びます。
永遠に記憶を保持する必要はありません。次の英文の暗唱に取りかかれば、以前覚えた英文とはどうしても疎遠になります。時間が経つと忘れてしまうと思いますが、それでもトレーニングの効果は永続しますので安心してください。
どんどん新しい英文の暗唱に乗り出していけばオーケーです。
英文暗唱のモチベーターには、國弘正雄の名著『國弘流 英語の話しかた』がおすすめ。達人の凄みに煽られてやる気が湧いてきますよ。
まとめ
以上、英文暗唱の効果的なやり方について解説しました。最後にざっくりと振り返っておきます。