英作文のトレーニング方法って謎が多いですよね。
コレ!という学習法が定まっていない感じ。
英作文が得意なひとも自分がなぜ英語を書けるのか説明できない印象。しまいには「英作文は特別な対策は必要ない」とか言い出したりします。
ネイティブのライティング関連の動画を見ていても、出てくるのはエッセイの書き方ばかり。エッセイはこういうふうに構成すれば点が取れるという内容。そもそも英文自体をまともに書けるようになるにはどうしたらいいのかを教えてくれるものは見当たらないんです。
そんななかで例外的な動画がこれ。
今回シャドーイングに使ったものなのですが、英語で書くことそのものの上達法を解説してくれている貴重すぎる内容。あまりに有益なので紹介します。
最強の英作文トレーニング方法それは写経
この動画で解説される英文ライティングのトレーニング手順は次のとおり。
2. 英文を読んでしっかり理解する
3. 英文を一時的に暗記してそれを紙もしくはワード的なものに書いていく
4. 書いた英文をモデル英文と比較し間違っていたら修正する
5. 最後にもう一度正確な英文をモデルを見ずに書く
いわゆる書き写し。ネイティブが書いた優れた英文を見つけ出してきて、それをそっくりそのまま自分の手でコピーしていきます。
日本では写経と呼ばれる方法ですね。
写経の効果としては次の3つが有名です。
・モデル文を書き写す際には、自然と文章の構成や流れを観察することになる。したがって文章全体の構造を組み立てたり理解したりする力が向上する。
・優れたモデル文を写すことで、異なる文体の使い方を学ぶことができる。これにより自分の文体を磨いたり、さまざまなスタイルで表現するスキルが身につく。
あと自分でうんうん唸りながら日本語を英訳するのにくらべて圧倒的に楽だというのも大きいです。無駄な時間もかからない。しかも効果は大きいという。
この動画でもっとも感心したポイントは上記手順の3番目。
見ながら書き写すのではなく、一時的に暗記してそれをアウトプットするというやつです。これがどちゃくそ重要。
脳科学では「思い出そうとすることで学習効果は上がる」と指摘されます。ただ外部から情報をインプットしただけではダメで、それを思い出そうとすることで知識が身につくと。頭に負荷をかけることが重要なんですね。
写経をするさいにも、ただモデルを見ながら書き写すのと、一度暗記してからそれを書き出そうとするのでは、学習効果が天と地ほども違ってくると思われます。
これはわれわれも真似するべきですね。
一時的に暗記するといっても全部まとめて覚える必要はありません。ひとつの文章ごとに暗記して書けば十分。
一文が長い場合は細かく分割して暗記→思い出しながら写経でもよいとのこと。
書いたあとにモデル文と照らし合わせて修正しているところもかなり重要。
これは自分に小テストを課しているようなものですよね。アウトプットの効果を最大化する方法のひとつが「自分にテストを課すこと」なんです。この手順を加えることで、書きっぱなしの場合よりも圧倒的に伸びます。
それから手順2の「英文を読んでしっかり理解する」というのも何気に大切です。
意味のわかっていない文章を書き写してもあまり効果はでません。要するに理解できない英文をモデルにしちゃいけないということですね。読解をがんばるというより、モデル選出の段階で易しめのものを選ぶようにするのがコツです。
ちなみに動画主はパソコンを使って文章を入力していますが、脳科学的には、手を使って紙に書いたほうが効果は高まります。
まあめんどくさければ電子デバイスでもいいと思います。あとは音声入力も何気におすすめ。
いずれにせよ、この動画の一連のステップを真似するだけで相当強力な英作文トレーニングになると思います。
さらに一段上に行きたいひとは、ただ写経するだけでなく、モデル文をアレンジしてオリジナルの文章を作ってみることをおすすめします。
いわゆる「英借文」というやつ。自分でゼロから英文を組み立てるんじゃなくて、すでにあるモデルをいじって自分の言いたいことを表現するわけです。
これに慣れておくと試験とかで英文を組み立てるのが楽になります。
英作文学習にとっての多読の重要性
動画の最後には多読の重要性が語られています。
これはよく聞きますよね。英語を書くには自分のなかに良質な英文がストックされていなくてはならない、だから普段から英語を読む習慣を身につけておくべきだと。
動画主も同じ意見の模様。上記の写経トレーニングのための題材を探す目的もかねて、普段から英語をたくさん読む習慣をつくってくださいと言っています。
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