「英語を学びたい。でも、教材が多すぎて何を選べばいいのかわからない」
これは現代の多くの学習者が直面する問題ですよね。
単語帳・文法書・英会話教材・アプリ・YouTube・ポッドキャストなどなど⋯
今や英語学習の手段は無数にありますが、「とりあえず手を出して挫折」を繰り返していては、時間もお金も無駄になってしまいます。
ということで本記事では、筆者が実際に使って効果を感じた&ユーザー評価の高い“神教材”だけを厳選して11個ご紹介します。
「独学で英語を話せるようになりたい人」「TOEICのスコアを伸ばしたい人」「海外で通用する英語力を身につけたい人」など、目的別にぴったりの教材が見つかるはずです。
英語は、正しい教材で、正しい順番で学べば、誰でも伸びます。迷っている時間を短縮して、今すぐ自分に合った神教材を見つけましょう。
- 『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく』で英語の基礎力が完成
- 『総合英語エバーグリーン』で高校英語の文法をマスター
- 『頻出英文法・語法問題1000』で文法を完全マスター
- 『速読英単語』で語彙増強
- 「究極の英単語」で12,000語彙を目指せ
- 『金のフレーズ』でTOEIC向けのボキャビル増強
- 『英語長文ハイパートレーニング(超基礎編)』で長文読解に慣れる
- 『英文解釈教室』で精読を極める
- 『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』でアウトプット回路を作る
- 『英作文完全制覇』で英文ライティングをマスター
- 『英検準1級面接大特訓』でスピーキング対策
- 翻訳を学ぶなら『英文翻訳術』
- 『スタディサプリENGLISH』動画講義で学習の敷居を下げよう
『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく』で英語の基礎力が完成
英語学習の第一歩として、あるいはやり直しの出発点として、まず押さえておきたいのが中学英語です。
中学英語は、英語学習のアルファにしてオメガ。ここがしっかりと固まっていれば、日常英会話はある程度こなせるようになりますし、その後の高校英語やTOEIC、英検といった実用的な英語力の習得もスムーズにいきます。
その中学英語の学び直しにおいて、もっとも頼りになるテキストが『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく』です。
図解やイラストが豊富で、英語の文法や表現のしくみを感覚的に理解できます。ものすごくわかりやすい。
英単語をほとんど知らない状態でも、つまずかずに読み進められる構成になっているのもグッドです。いきなりこの本から始めることができます。超初心者が、英単語学習の最初の1冊として使うのもあり。
また、付属の音声データを使えば、音読教材としても活用できますし、リスニングの初歩として取り組むのにも最適です。
読む・聞く・話す・書くという英語学習のコア4技能を、この一冊でしっかりと身につけることができるでしょう。
関連:中学英語の文法を学び直すならコレ一択『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく』
『総合英語エバーグリーン』で高校英語の文法をマスター
高校レベルの英文法を学ぶなら、『総合英語エバーグリーン』がおすすめ。
受験英語の参考書として知られていますが、その内容は単なる試験対策にとどまらず、英語の仕組みを深く理解するための理論的な土台として機能します。
この本の大きな長所は、網羅性とわかりやすさのバランスにあります。文法事項がきめ細かく分類されていて、一つひとつ丁寧に説明されているので、苦手な部分だけを重点的に復習することも、最初から通読して全体を俯瞰することも可能。
また、豊富な例文と解説のおかげで、英文法がどのように実際の英語の中で使われているのかを具体的にイメージすることができます。
練習問題が小刻みに挿入される構成もグッド。英文法は使わないと習得できません。解説と例文を読んで理解した英文法を、練習問題で即座にアウトプットできるようになっているため、スムーズに学習が進みます。章末にまとめてドバッと練習問題が出てくる構成よりも、本書のような構成のほうが学びやすいのです。
『頻出英文法・語法問題1000』で文法を完全マスター
もともとは大学受験生向けに作られた問題集ですが、その質と量は万人に有益です。
文法のルールをテキストで学んだだけでは、知識はなかなか定着しません。本書のような問題集に取り組むことで、その知識を完全に身につけることができます。
評価の高い問題集ならどれを使ってもいいと思いますが、僕が使ったのはこれでした。
間違えた問題にはチェックマークをつけておき、2周目、3周目ではその問題を重点的に解き直していくのがよいでしょう。自分の弱点を確実に克服し、文法力を着実にレベルアップさせることができます。
このレベルの文法問題集を仕上げれば、英文法の学習は卒業です。TOEICパート5の文法問題も、特別な対策なくして満点が狙えるようになります。
『速読英単語』で語彙増強
英単語学習でおすすめなのは『速読英単語』シリーズです。
単語帳でひたすら単語と意味を暗記するのではなく、長文の文脈のなかで単語を覚えていくスタイルが特徴。
文章の流れの中で出会った単語は、記憶に残りやすく、忘れにくくなります。しかも、自然な形で意味や使い方が理解できて、実際の読解や会話にも応用しやすくなります。
このシリーズを使えば、英単語の増強をしつつ、読解力とリスニング力をぜんぶまとめて伸ばすことができます。長文読解やリスニングの教材を別に用意する必要はなく、ぜんぶここに集約できるんですね。
受験生用の「速読英単語」シリーズに続いて、社会人用の「速読・速聴英単語」シリーズも用意されています。これのAdvancedまで極めれば、TOEIC900点および英検準1級レベルの単語力に到達できます。
関連:英単語学習のおすすめ教材はこの2つ【中学レベルから洋書スラスラまで】
「究極の英単語」で12,000語彙を目指せ
英文法は高校レベルで終了してよいのですが、英単語はもっと増やしていく必要があります。
とはいえ「速読・速聴英単語」シリーズのレベルを超えると、長文を使った英単語テキストは見当たらなくなってきます。ここでようやく単語帳タイプの教材の出番です。
おすすめなのは「究極の英単語」シリーズ。これのvol3とvol4をやりましょう。
これをマスターすると習得語彙数は12,000以上となり、ほとんどの英文を読めるようになります。もちろん語彙数はリスニング力アップにも直結します。
『英検1級出る順パス単』も評判のいい参考書です。僕はどちらもやりました。ただ網羅性では「究極の英単語」のほうが上だと思うので、こちらをおすすめしておきます。
『金のフレーズ』でTOEIC向けのボキャビル増強
「速読英単語」「速読・速聴英単語」「究極の英単語」⋯。
これらをマスターすれば、語彙力で困ることはなくなります。しかしTOEICを受けるとなると、ちょっと話が変わってきます。
TOEICはビジネス系の文章が出題され、登場する英単語も独特の傾向があるんですよね。まったく知らないという単語は少ないにしても、今まであまり使ってこなかった地味な単語が、重要な意味を帯びてきたりします。
そういう単語を瞬時に理解できる能力があるかどうかで、問題を解くスピードが少しずつ変わってきてしまい、最終的には大きな差になります(自戒を込めて)。
そして、TOEIC向けの英単語テキストといえば『金のフレーズ』が最強です。
初心者は1個レベル下の『銀のフレーズ』から始めたほうがよいですが、この記事で紹介した英単語テキストを完了している学習者なら、金から始めて問題ないでしょう。
『英語長文ハイパートレーニング(超基礎編)』で長文読解に慣れる
『英語長文ハイパートレーニング』は、受験英語の世界で支持され続けている定番の長文読解シリーズ。英語長文に対して苦手意識を持つ高校生や再学習者にとって、最初の一冊として心強い内容となっています。
長文読解の訓練は、『速読英単語』を使って語彙学習をしていれば、自然とカバーできます。あえて別の教材を増やす必要はそれほどありません。
しかし基礎の段階では、「英文をどう読んでいいのかわからない」「文構造の取り方があいまい」という悩みを抱える人も多いでしょう。そんな人に、『英語長文ハイパートレーニング(超基礎編)』がおすすめです。
最大の特長は、視覚的に整理された解説パートのわかりやすさ。文構造の区切りや、意味のまとまりが色分けや図解で明示されており、「なんとなく読む」から「構造を理解して読む」への橋渡しをしてくれます。
この本の指示通りに精読と音読をこなしていけば、長文読解の苦手意識は着実に克服できるでしょう。
関連:初心者におすすめの精読参考書は『英語長文ハイパートレーニング』
『英文解釈教室』で精読を極める
英文を正確に読む力、いわゆる「精読力」は、ある程度英語に慣れてきた学習者にとって避けては通れない壁です。「なんとなく意味はわかるけれど、構造がとれずにモヤモヤする」。そんな経験がある人にこそ、精読トレーニングが必要です。
そして、その精読力を本気で鍛えたい人におすすめしたいのが、『英文解釈教室』です。
本書は、「伝説の講師」と呼ばれる故・伊藤和夫先生によって書かれた、伝説の参考書。出版から数十年たった今でも、多くの学習者や指導者に支持され続けている理由は、その解説の深さと論理性にあります。1文1文を徹底的に分解し、英文の構造と意味の関係を明らかにしていく過程は、まさに「英語を読む技術」の講義という感じ。
この参考書を使って精読トレーニングを積むことで、英文の細部まで読み取る力が確実に養われ、読解力は格段に向上します。
受験生がこんなに難しいものをこなす必要があるのかは議論の余地があります。しかし、ある程度英語に慣れた大人の学習者が、次のステップに進みたいと思ったときには、これ以上の教材はそう多くありません。
僕も大人になってから初めてこの本に取り組みました。そしてその効果を実感したというわけです。
『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』でアウトプット回路を作る
「瞬間英作文」とは、日本語の文を見て即座に英語に訳すトレーニングのこと。簡単な文なのに、とっさに英語が口から出てこない⋯そんな壁を乗り越えるために開発された学習法です。
瞬間英作文の最大の利点は、英語を「作る力」を徹底的に鍛えられる点にあります。これは、英作文の力であり、英会話の土台でもあります。英語がスラスラ話せる人は、頭の中で素早く文を組み立てる力を持っています。その基礎体力を、無理なく、反復練習で身につけられるのがこのテキスト。
扱われている文は中学レベルのやさしい構文ばかりですが、シンプルだからこそ反射的に英語を出す練習に集中でき、効果は絶大です。
はじめて英会話に挑戦する人も、文法はひととおり学んだけれど話せないという人も、まずはこの一冊から始めるのが近道です。
もちろん、英会話だけでなく、英作文の一冊目としてもおすすめです。
関連:瞬間英作文でアウトプット力が爆伸び【おすすめ教材8冊】
『英作文完全制覇』で英文ライティングをマスター
『英作文完全制覇』シリーズは、ジャパンタイムズ出版から刊行されている英検対策本のなかで「英作文」に特化したテキスト。
英語エッセイ力を本格的に鍛えたい人に圧倒的な支持を得ている名著です。とくに英検準1級・1級を目指す学習者から高い評価を受けており、数ある英作文対策本の中でも群を抜いた完成度を誇ります。
英語のエッセイには、「主張(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→再主張(Point)」というPREPと呼ばれる基本構造があります。本書はこのPREP構造に忠実に基づいており、論理的で読みやすい英文を書くための型を徹底的にトレーニングできます。
掲載されているモデルエッセイはどれも質が高く、これを「写経(書き写し)→音読→暗唱」と繰り返すことで、自然と論理的な英文エッセイの型が身につくでしょう。
なお、もうちょっと初歩的なレベルのテキストがほしい場合は、『英作文ハイパートレーニング』がおすすめです。
関連:英作文のおすすめ参考書はこの4冊【短文から長文エッセイまで】
『英検準1級面接大特訓』でスピーキング対策
英検二次試験(面接形式のスピーキングテスト)に特化した対策本として、長年にわたり高い評価を受けている定番シリーズです。
実際に英検を受けるかどうかにかかわらず、スピーキング力を伸ばしたい学習者におすすめできる良書。
なお、英語のスピーキング力は、実は英作文の力と密接に関係しています。論理的に考えを組み立て、それを英語で表現するという点では両者はほぼ同じスキルと言えます。そのため、いきなり口頭で話す練習に入る前に、まずは英作文のトレーニングを通じて「言いたいことを英語で整理する力」を養うのが効果的です。
そして、本書で型や語彙を習得したあとは、実際に話す練習にステップアップしていく必要があります。スピーキング力は、机上の学習だけでは伸びにくいため、実践トレーニングは不可欠。そのさいはオンライン英会話を利用するのがよいでしょう。
関連:【オンライン英会話】初心者はこの3社から選べばOK【無料体験あり】
翻訳を学ぶなら『英文翻訳術』
安西徹雄の『英文翻訳術』は、翻訳トレーニングの定番書として長く使われてきた一冊です。
著者の安西徹雄は英語学者として広く知られ、とりわけシェイクスピアなど古典文学の翻訳で名高く、その実践的な知見が本書のいたるところで光ります。
本書は単なる「英語を日本語に置き換える技術」だけを教えるものではありません。原文の意味を正確に読み取るための精読力や英文法の深い理解を育てる構成になっているため、英語学習全体の底上げに直結します。
また、本書が繰り返し示す重要なポイントは「良い翻訳は優れた母国語運用力に支えられる」ということです。自然で説得力のある日本語表現を探り、整える過程で日本語力そのものも鍛えられるため、翻訳学習は英語力だけでなく日本語能力の向上にも有効です。
翻訳の基礎を体系的に学びたい人、精読や文法を実践的に深めたい人に特におすすめの一冊。
関連:英語翻訳の勉強法はこれ【おすすめ本・トライアル対策・通信講座】
『スタディサプリENGLISH』動画講義で学習の敷居を下げよう
スタディサプリENGLISHは、リクルートが提供する人気の英語学習アプリ。スマホひとつでリスニング・リーディング・スピーキングまで総合的にトレーニングできるサービスです。
最大の魅力は、優れた講師による講義動画で学べること。文章だけの参考書に比べて、動画なら音声&映像で理解が深まるため、学習の敷居がぐっと下がります。画面越しでも講師の熱量が伝わり、解説のテンポやユーモアで「もっと見たい」と思わせてくれるので、気づけば勉強が苦でなくなるんですよね。
ちなみに僕は資格試験の勉強をするとき、教科書ではなく、いつも講義動画で全体像をつかみ理解していきます。
さらに、ディクテーションやシャドーイングの練習機能、スキマ時間を活かせる短時間レッスンなど、英語学習者を助ける仕組みが豊富に揃っています。
スタディサプリENGLISHをうまく活用できれば、英語の理解とモチベーション維持の両面で大きな効果が期待できるでしょう。

