英語学習の王道といえば多読による大量インプット。
そしてそれを継続するためのコツは、興味の持てる本だけを読んでいくことです。
自分が仕事で専門としているジャンル、あるいは趣味で追求しているジャンル、そういう分野の洋書を優先して読んでいくと効果が出やすいです。
この記事では歴史ジャンルのおすすめ本を紹介します。歴史に少しでも関心のある人は参考にしてみてください。
【その他ジャンルのおすすめ洋書】
ジェームス・バーダマン『シンプルな英語で話す日本史』
ジャパンタイムズから発売されている「シンプルな英語で話す」シリーズから、日本史編をおすすめします。英語で歴史を学ぶなら、洋書に手を出す前にまずこのシリーズを押さえておくのが得策です。
見開きで左側に英文、右側に日本語訳の構成。ボリュームは250ページちょいで、年表と索引もついてます(地図がついてれば完璧だった)。
縄文時代から始まり、2011年の震災までの歴史をざっくりと解説しています。
音声が付属しているのも素晴らしすぎますね(MP3音源なのでパソコンに取り込む必要あり)。話し手の英語もかなり聞き取りやすいです。
一回目は普通に通読し、2周目に音声を利用するのがおすすめ。一度読み終わった内容をリスニングしたりシャドーイングしたりすると、歴史の内容がより深く記憶されるうえに、英語力もぐんぐん伸びて最強です。
ジェームス・バーダマン『シンプルな英語で話すアメリカ史』
こちらも同シリーズからアメリカ史を解説した本です。構成はまったく同じ。
アメリカの歴史をわかりやすくざっと解説してくれる本って意外と少ないですよね。したがってこの本は、その観点からしてみても重要な存在です。本書を使えば英語を目と耳からインプットしつつアメリカの歴史を概観できます。
範囲はネイティブアメリカンとヨーロッパ人の出会いから始まり、バラク・オバマの大統領当選まで。
やはり音声がついていて、これが素晴らしい。欲を言えば地図も掲載してほしかったですね。アメリカの都市とか地理とか、なかなか場所の感覚をつかめないので。
使い方は日本史バージョンと同じです。一周目は普通に通読して、2周目に音声を利用していくと、深い学習ができるでしょう。
英文 詳説世界史 WORLD HISTORY for High School
世界史ならこれがおすすめです。山川出版社の『詳説世界史B』を英訳したテキスト。
高校の世界史教科書といえば山川のものが一番評価が高いです。それを英訳した本書も、各所から称賛されています。
厳密にいえば洋書ではありませんが、洋書を読むのとほとんど変わりません。ジャパンタイムズの「シンプルな英語で話す」シリーズのような対訳は載っていないので注意。
文章はそれほど難しくなく、大学生なら普通に読めると思います。英語が得意な高校生でもいけるかも。
とはいえ世界史の知識ゼロでいきなりこれを読み始めるのはきついと思います。結局は教科書ですから。すでに吸収している知識を整理・確認する目的で読むとスイスイいけます。
ハラリ Sapiens A Brief History of Humankind(サピエンス全史)
日本を含む世界中でベストセラーになった『サピエンス全史』の原書です。
著者はイスラエルの歴史学者。この人の文章は非常に読みやすいです。歴史好きだけでなく、大学生や社会人全般にもおすすめできる洋書の一冊といえるでしょう。
中身のおもしろさも折り紙付きです。範囲は人類の誕生から現代まで。この長大な歴史を、3つの革命(認知革命、農業革命、科学革命)に着目して語りきります。
歴史ジャンルの本格的な洋書なら、まずこれから読んでみるのがおすすめ。
キッシンジャー Diplomacy(外交)
ニクソン政権で国務長官を務めた男キッシンジャーの代表作。国際政治のテキストとして非常に高く評価されている本で、これが近代史の洋書として読めます。
範囲はナポレオン戦争後のウィーン会議から冷戦終結まで。人物に焦点を当てた語りがキャッチーで、読者の興味をかきたてます。
文章は易しくありません、というか相当難しいです。しかし内容が抜群に面白いため、推薦せざるをえない感じ。国際政治というジャンルをこれだけ面白く語れる人はなかなかいないと思います。
近現代の世界史に関心のある人はぜひご一読あれ。
カレン・アームストロング A History of God(神の歴史― ユダヤ・キリスト・イスラーム教全史)
一神教の歴史を物語る本。カレン・アームストロングは比較宗教学者として知られ、キリスト教やイスラム教についての本を何冊も出しています。
本書はユダヤ教、キリスト教、イスラム教の一神教に焦点を当て、それぞれの歴史を物語る構成。一冊で3つの一神教を概観できるようになっています。
神学などの思想内容にも踏み込むため、内容はかなり高度。しかし文章そのものは難しくないので、基礎知識と興味関心があれば読めると思います。
マーガレット・ミッチェル Gone With The Wind(風と共に去りぬ)
アメリカ文学でもっとも人気のある作品がこれ。映画バージョンも有名なので、誰しも名前だけは聞いたことがあるかと思います。
実はこの小説、歴史小説です。舞台は南北戦争時代のアメリカ。しかも南部の白人の視点から当時のアメリカを描いている点が特徴です。われわれが持っている知識は歴史の勝者である北部の視点ですから、本書を読むと目から鱗が落ちます。
1936年に発売された古典ですが、文章は驚くほど読みやすいです。中級者レベルだと思います。先に映画を見て背景知識をつかんでおけば、さらにスラスラいけるでしょう。
分量はとてつもないですが(マスマーケット版で1,000ページ超え)、面白さも異常なのでダレることなく一気に読めるはず。
オーディオブックの活用で多読の効果を倍増させよう
洋書を読むときは、オーディオブックを活用すると読書の効果が高まります。
音声を聞きながら文章を読むと、返り読みができなくなりますよね。したがって速読のコツが身につくのです。
もちろんリスニング力も伸びます。
耳から聞くだけだと負荷が高いので要注意。その場合はすでに読んだことがある洋書を聞くのがいいでしょう。
まずふつうに洋書を読む→スキマ時間にその本のオーディオブックを聞いて内容を復習する、という使い方も強力。
Amazonが提供しているオーディブルなら、最初の一冊が無料で入手できます(なるべく高価なやつを選びましょう)。
まずは30日間の無料体験から試してみるのがおすすめです。
和書と違って洋書のオーディオブックは品揃えが圧巻です。
歴史系の名著も多いので、まだ使ったことのない人は試してみるといいでしょう。
わたくし最近はnoteのほうに英語学習の記事を書いてます。名作の英文読解とかニュース動画でボキャビル増強とかやってるんで、よければフォローお願いします↓