英語のアウトプット学習をしたいんだけど、一人で黙々とできる方法ないかなあ。英会話スクールとかペア学習とかはやりたくないんだけど…
インプット学習に比べると、アウトプット学習は手間がかかるものが多いですよね。
会話の相手が必要だったり、作文を採点してくれる先生が必要だったり。
もっとこう、一人で気軽にできるアウトプット学習はないのでしょうか?
以下、アウトプットの効用を確認してから、一人で気軽にできるおすすめの方法を紹介します。
アウトプットの効能とは?
まずアウトプットの効用をおさらいしておきましょう。
廣森友人の『英語学習のメカニズム 第二言語習得研究にもとづく効果的な勉強法』によると、アウトプットには次の4つの役割があります。
・自分の英語が正しいかどうかをチェックできる
・インプットとは異なる言語処理が発動する
・インプットした知識を実践で使えるものに変化させる
英語学習はあくまでも大量のインプットが土台になります。
ですがアウトプットが不要かというと、そうでもないんですね。
アウトプットすることでインプットをさらに効率化したり、現実で使えるレベルにまで引き上げたりが可能になるからです。
効果的なアウトプット学習が、総合的な英語力の伸びをブーストさせてくれるわけです。
興味をもてる題材をアウトプットしよう
ついでに言っておくと、英語のアウトプット学習をするときには、なるべく自分の興味のある内容を書いたり話したりするのが原則です。
スピーキングにしてもライティングにしても、関心のある内容をアウトプットすると飽きにくいですし、学習効果も高くなることがわかっています。
試験用の教材ですとビジネス英語に特化していたり、どうにも関心のもてない社会問題ばかりを扱っていたりと、モチベーションがぜんぜん上がらないことが多いくなるかと思います。
そういうときは思い切って教材を変えるのも手ですね。普段は興味のもてる教材で勉強し、テストの直前だけ試験用テキストで調整する感じ。
上手いこと工夫して、学習内容を自分の趣味や関心に近づけるのが最善です。
一人で気軽にできるアウトプット学習
このアウトプット学習ですが、他人と一緒に学習するのは正直めんどくさいんですよね。
対人の英会話ともなると、色々と学習までのハードルが高いです。英作文を採点してくれるような先生が都合よく近くにいることはまれですし。
一人で独学できないものでしょうか?
以下、おすすめの方法を紹介します。
トーキングテーマトランプを使って独り言
一人で簡単にできるアウトプット訓練といえば、まず独り言があります。
思いついたことを、英語でつぶやくのです。これだけで効果があります。
注目すべきは、頭のなかでリハーサルするだけでアウトプット効果があるということ。
これはfMRI(機能的磁気共鳴画像法)と呼ばれる脳科学の実験で明らかになった現象で、実際に声を出さなくても、あーでもないこーでもないと頭のなかで英文を組み立てればそれで英語のアウトプットをしたことになるのです。
英語で独り言をつぶやく場合は頭のなかで大量のリハーサルを行いますから、学習効果は思った以上のものになります。
ただこの方法には欠点があって、続けるのが難しいんですよね。すぐ飽きるし、気づいたら独り言をつぶやくのを忘れていて習慣化できないというケースが多いと思います。
そういう人にはトーキングテーマトランプを活用する方法をおすすめします。
トーキングテーマトランプとは、その名の通りトークのテーマが書かれたカードのこと。授業やパーティで使うのが本来の使用法ですが、これを独り言用に活用します。
適当に1枚カードを引き、書かれているテーマについて独り言をつぶやくのです。この方法なら習慣化するのが圧倒的にたやすくなります。
トーキングテーマトランプはシャベリカが有名ですが、アマゾンで簡単に手に入るものもあるので、そっちを購入すればよいでしょう。
英語日記
次におすすめする方法は英語日記です。
3行くらいの簡単な日記を書きます。がっつり書こうと張り切りすぎるとほぼ確実に挫折するので、最初は3行とか5行で十分です。
手持ちの英単語で表現できるような簡単な内容を書きましょう。難しい内容を書こうとして辞書を調べるのは挫折につながりますし、時間がかかってアウトプットの総量が少なくなりがちですから。
石原真弓『英語で日記を書いてみる』などの良書も出ているので、参考にしてみてもいいでしょう。
半年後とか1年後に日記を読み返してみて、自分が書いた英文を添削するとさらに効果がでます。成長を実感できますよ。
続けるのが苦痛な場合、スピーキング日記でも大丈夫です。
これは青谷正恭が『英語学習論 スピーキングと総合力』のなかで推奨している方法で、書かなくてもちゃんと効果はあります。
口に出すだけなら書くよりも負荷が少なく、続けやすいですよ。
夜寝る前に布団に入ったらスピーキング日記をする習慣をつけるのがおすすめです。あるいはお風呂のなかとかトイレのなかで行ってもいいですね。
音声入力ソフトを使用して文字に起こせば、後から添削することもできます。正しく入力されるかどうかで、自分の発音をチェックできますしね。
英語日記は次に紹介するGrammarlyと組み合わせると効果がブーストします。
Grammarly
次はGrammarly。ネット上で英文の添削を行ってくれるサービスです。
無料でも十分なサービスを受けることができます。英文ライティングをするときは、このサービスを存分に活用しましょう。
これも青谷正妥が『英語学習論 スピーキングと総合力』で述べているように、英作文は和文英訳ではなくて自由英作文のほうが効果があるんです。与えられたテーマについて、どんどん書きまくるのがいいんですね。
しかし流石に書きっぱなしは学習効率が悪い。誤った表現が身についてしまうリスクもあります。したがって添削を受けてフィードバックを得るのが重要になってきます。
そこでGrammarlyのような添削サイトが威力を発揮するわけです。
英語日記を書いている場合でも、このサービスを利用して過去の文章を採点すると効果が激増しますよ。
ただしGrammarlyを使いながら正しい英文をきっちり書くみたいな使い方はしないでください。それだと疲れてしまいますし、量をかせぐのも大変ですから。
正確さをあまり気にせず、どんどん書いたり話したりするのが基本です。添削や修正は後から行いましょう。
瞬間英作文シリーズ
上述したように、英作文なら和文英訳よりも自由英作文をするべきです。
じゃあ和文英訳に意味がないかというと、そうでもありません。いちばん強力な和文英訳トレーニングは瞬間英作文です。和文英訳をやるなら瞬間英作文をしましょう。
瞬間英作文は森沢洋介が考案した勉強法で、中学レベルの簡単な文章を瞬間的に英訳するトレーニングです。
英語回路を構築するのがその目的。頭のなかに眠っている英語の知識を、現場で使えるものに変化させるのです。
テキストは森沢洋介の著作を使うのがいいでしょう。シリーズ化されていますが、最初の二冊だけでも相当な効果が期待できますよ。
瞬間英作文については以下の記事も参考にしてみてください。
まとめ
以上、一人で英語のアウトプット学習をする方法について解説しました。最後にざっくりとまとめておきます。