
英語のアウトプット学習をしたいんだけど、一人で黙々とできる方法ないかなあ。英会話スクールとかペア学習とかはやりたくないんだけど…
インプット学習に比べると、アウトプット学習は手間がかかるものが多いですよね。
会話の相手が必要だったり、作文を採点してくれる先生が必要だったり。
もっとこう、一人で気軽にできるアウトプット学習はないのでしょうか?
以下、アウトプットの効用を確認してから、一人で気軽にできるおすすめの方法を紹介します。
アウトプットの効能とは?
では、そもそもアウトプットはなぜ必要なのでしょうか?単に話したり書いたりするだけで効果があるものなのか?
そんな疑問を解決するために、まずはアウトプットの効能を整理してみましょう。
廣森友人の『英語学習のメカニズム 第二言語習得研究にもとづく効果的な勉強法』によると、アウトプットには次の4つの役割があります。
・自分の英語の正確性をチェックできる
・インプットとは異なる脳の働きを活用できる
・インプットした知識を実践レベルに引き上げる
1. 自分に足りない知識を明確にできる
実際に英語を話したり書いたりすると、「この単語が出てこない」「この表現で合っているのかな?」といった疑問が浮かびます。
これがまさに「知識の穴」に気づく瞬間です。
インプットだけでは気づきにくい知識の不足を、アウトプットを通して発見し、ピンポイントで補強できるのが大きな利点です。
2. 自分の英語の正確性をチェックできる
言語は「なんとなく」使っているだけではなかなか上達しません。
アウトプットすると、文法や発音のミスが可視化され、改善のチャンスが生まれます。例えば、英語日記を書いてChatGPTに添削してもらえば、自分の癖や間違えやすいポイントが明確になります。
これを繰り返すことで、より自然で正確な英語を身につけることができます。
3. インプットとは異なる脳の働きを活用できる
英語を聞いたり読んだりする「インプット」と、実際に使う「アウトプット」では、脳の使う領域が異なります。
例えば、リスニングで「知っている」フレーズでも、いざ自分で話そうとすると出てこないことがありますよね。これは、使う脳のエリアが異なるからこそ起きる現象です。
積極的にアウトプットすることで、普段使っていない脳のエリアが活性化し、英語力が全体的にブーストします。
4. インプットした知識を実践レベルに引き上げる
学んだ英語を「使える英語」に変えるには、アウトプットが不可欠です。
インプットだけでは、「聞けば分かるけど話せない」という受け身の状態に留まりがち。しかし、アウトプットを繰り返せば、英語が「知識」ではなく「スキル」へと進化します。
例えば、瞬間英作文を使って短文を何度も口に出すことで、文法やフレーズが無意識に使えるようになります。
興味をもてる題材をアウトプットしよう
英語のアウトプット学習をするときには、なるべく自分の興味のある内容を書いたり話したりするのが原則です。
スピーキングにしてもライティングにしても、関心のある内容をアウトプットすると飽きにくく学習効果も高くなることが、脳科学的にわかっています。
試験用の教材ですと、ビジネス英語に特化していたり、関心のもてない社会問題ばかりを扱っていたりと、モチベーションが上がらないことが多いくなるかと思います。
そういうときは思い切って教材を変えるのも手ですね。普段は興味のもてる教材で勉強し、テストの直前だけ試験用テキストで調整するのがおすすめ。
上手に工夫して、学習内容を自分の趣味や関心に近づけるのがベストです。
一人で気軽にできるアウトプット学習は?
このアウトプット学習ですが、他人と一緒に学習するのは正直めんどくさいんですよね。
対人の英会話ともなると、色々と学習までのハードルが高いです。英作文を採点してくれるような先生が都合よく近くにいることはまれですし。
一人で独学できないものでしょうか?
以下、おすすめの方法を紹介します。
1. トーキングテーマトランプを使って独り言
一人で簡単にできるアウトプット訓練といえば、まず独り言があります。
思いついたことを、英語でつぶやくのです。これだけで効果があります。
注目すべきは、頭のなかでリハーサルするだけでアウトプット効果があること。
これはfMRI(機能的磁気共鳴画像法)と呼ばれる脳科学の実験で明らかになった現象で、実際に声を出さなくても、あーでもないこーでもないと頭のなかで英文を組み立てればそれで英語のアウトプットをしたことになるのです。
英語で独り言をつぶやく場合は頭のなかで大量のリハーサルを行いますから、学習効果は思った以上のものになります。
ただこの方法には欠点があって、続けるのが難しいんですよね。すぐ飽きるし、気づいたら独り言をつぶやくのを忘れていて習慣化できないというケースが多いと思います。
そういう人にはトーキングテーマトランプを活用する方法をおすすめします。
トーキングテーマトランプとは、その名の通りトークのテーマが書かれたカードのこと。授業やパーティで使うのが本来の使用法ですが、これを独り言用に活用します。
適当に1枚カードを引き、書かれているテーマについて独り言をつぶやくのです。この方法なら習慣化するのが圧倒的にたやすくなります。
トーキングテーマトランプはシャベリカが有名ですが、アマゾンで簡単に手に入るものもあるので、そっちを購入すればよいでしょう。
2. 英語日記でアウトプット力を鍛える
次におすすめする方法は英語日記です。
3行くらいの簡単な日記を書きます。がっつり書こうと張り切りすぎるとほぼ確実に挫折するので、最初は3行とか5行で十分です。
手持ちの英単語で表現できるような、簡単な内容を書きましょう。難しい内容を書こうとして辞書を調べるのは挫折につながりますし、時間がかかってアウトプットの総量が少なくなりがちですから。
英語日記は、AIツールChatGPTを活用することで真の効果が発動します。逆に我流ででたらめな英文を書きまくっていても効果は薄いので、注意してください。
無料AIツールを使った英語日記の書き方は、以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください↓

スピーキング日記でも効果あり
どうしても書くことが苦痛な場合、スピーキング日記でも効果はあります。
これは青谷正恭が『英語学習論 スピーキングと総合力』のなかで推奨している方法。
口に出すだけなら書くよりも負荷が少なく、続けやすいですよ。
夜寝る前に布団に入ったらスピーキング日記をする習慣をつけるのがおすすめです。あるいは、お風呂のなかとかトイレのなかで行ってもいいですね。
音声入力ソフトを使用して文字に起こせば、後から添削することもできます。正しく入力されるかどうかで、自分の発音をチェックすることもできますよ。
3. 瞬間英作文で英語の瞬発力を鍛える
瞬間英作文は森沢洋介が考案した勉強法で、中学レベルの簡単な文章を瞬間的に英訳するトレーニングです。
英語回路を構築するのがその目的。頭のなかに眠っている英語の知識を、現場で使えるものに変化させるのです。
テキストは森沢洋介の著作を使うのがいいでしょう。シリーズ化されていますが、最初の二冊だけでも相当な効果が期待できますよ。
瞬間英作文については、以下の記事も参考にしてみてください↓

まとめ
以上、一人で英語のアウトプット学習をする方法について解説しました。最後にざっくりとまとめておきます。
