「英語学習を頑張っているのに、なかなか成果が出ない…」
そんな悩みを抱えていませんか?
実は、英語を効率よく習得するには、脳の仕組みを理解し、それに合った学習法を実践することが重要です。
最新の脳科学によると、脳は8つのエリアに分かれ、それぞれ異なる役割を担っています。
英語を学ぶ際には、これらのエリアを適切に刺激し、連携させることが成功のカギ。例えば、スピーキングには「聴覚系」と「伝達系」、リーディングには「視覚系」と「理解系」など、脳の使い方を工夫することで学習効率が大きく変わるのです。
この記事では、脳科学の観点から、英語の「リスニング」「スピーキング」「リーディング」「ライティング」を効果的に習得する方法を徹底解説します。無駄な努力を減らし、確実に英語力を伸ばすための秘訣を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
脳を8つのエリアに分けて英語学習を効率化
人間の脳には1000億以上の神経細胞があり、それぞれが異なる役割を担っています。英語を効率よく学ぶためには、脳の働きを理解し、適切に活用することが重要です。
医学博士の加藤俊徳氏は、『脳科学的に正しい英語学習法』の中で、脳を以下の8つのエリアに分類しています。
・感情系(モチベーションや感情のコントロール)
・伝達系(話す・書く能力)
・理解系(読解・リスニング能力)
・運動系(発音に必要な口や舌の動き)
・聴覚系(音を正確に聞き取る力)
・視覚系(文字や映像を処理する力)
・記憶系(単語やフレーズを覚える力)
英語学習では、これらのエリアが相互に連携しながら機能します。たとえば、スピーキングでは「聴覚系」と「伝達系」が協力し、繰り返し訓練することで神経ネットワークが強化されます。
特に重要なのは「伝達系」のエリア。ここを中心に、他の脳エリアと連携させながら学習することが、効率的な英語習得のカギとなります。
例えば、シャドーイング(英語音声を聞きながら即座に発話するトレーニング)では、「聴覚系」と「伝達系」を同時に鍛えることができます。どのエリアを使っているのかを意識することで、学習効果を最大化できるのです。
年齢を重ねても脳は進化し続ける
「もう年だから、新しい言語を覚えるのは無理かも…」
そんな不安を感じる人もいるかもしれません。
しかし、最新の脳科学によれば、人間の脳は一生進化し続けることがわかっています。
脳のネットワークは、使えば使うほど強化されるため、年齢に関係なく成長させることが可能です。英語学習のように複数の脳エリアを同時に刺激する活動は、脳の老化を防ぎ、認知機能を向上させる効果もあります。
つまり、英語学習は最強の脳トレなのです。
この脳の仕組みを活かせば、年齢を重ねても効率よく英語を習得できます。では、具体的にどのような学習法が脳の力を最大限に引き出すのでしょうか?次のセクションで詳しく解説していきます。
脳科学が教える、英単語の効率的な暗記法とは?
現代の脳科学の観点から見ると、英単語の暗記にはいくつかの効果的な方法があります。ただ機械的に単語を覚えるのではなく、脳の仕組みを活かして学習することが重要です。
1. 自分が興味のある分野の単語から重点的に覚える
脳は「興味のあること」に対して記憶力が高まる性質を持っています。そのため、まずは自分が好きなジャンルの単語から覚えるのが効率的です。
例えば、海外のゲームが好きなら、その作品に関連する英単語を片っ端から覚えるのが良いでしょう。
– キャラクターやストーリーの説明に出てくる単語
– ゲームのシステムや設定画面(コンフィグ)に登場する単語
– アイテムやスキルの名称
こうした単語を意識的に覚えることで、脳が「実用的な情報」として処理しやすくなります。さらに、英語版のWikipediaを活用すれば、自然な文脈の中で単語を学ぶことができます。
2. 文脈のなかで覚える
単語を単独で暗記するのは非効率です。単語は、実際の使用シーン(文脈)の中で覚えたほうが定着率が高まります。
– 英語の長文を読む(ニュース記事、小説、エッセイなど)
– 映画やドラマを観る(字幕と一緒にチェック)
– ポッドキャストやYouTubeを聞く(ナチュラルな会話表現に触れる)
このように、「使われている場面」と一緒に覚えることで、単語の意味だけでなく、適切な使い方も身につきます。
3. 単語を「操作」することで使える語彙を増やす
「英単語を覚えたのに、実際の会話やライティングで使えない」という悩みを持つ人は多いです。これは、「記憶系」のみが働いていて、「運動系」や「思考系」とのネットワークが弱いためです。
これを改善するには、覚えた単語を「使う」ことが重要です。
– 英語日記を書く(今日の出来事を3つの新しい単語を使って書くなど)
– オンライン英会話で会話する(実際に単語を発話することで、運動系の脳が活性化)
– 同義語や派生語を考える(「happy」→「happiness」「unhappy」「happily」など)
こうすることで、単語が「使える知識」として脳に定着し、スムーズにアウトプットできるようになります。
4. 英文暗唱で記憶力を高める
長めの英文を暗記することで、単語の定着率が上がるだけでなく、記憶力自体を鍛えることができます。しかも、この方法は年齢を重ねても有効です。
– 名スピーチや名言を覚える(大統領の演説、映画のセリフなど)
– 好きな本の一節を暗記する(短いエッセイや詩もおすすめ)
– リスニングと組み合わせる(聞きながら暗唱すると、聴覚系と伝達系が活性化)
暗唱のメリットは、単語だけでなく「文章の流れ」や「文法のパターン」も同時に身につくことです。結果として、スピーキングやライティングのスキルも向上します。
☑英単語のおすすめ教材は、以下の記事を参考にしてみてください↓

英語リスニングの正しい勉強法
次に、脳科学的の観点からリスニングの学習のコツを解説します。
英語漬けの日を作る
英語を効率的に習得するためには、脳を「英語モード」に切り替える時間が必要です。
おすすめなのは、週に1日「英語漬けの日」を作ること。例えば、日曜日は可能な限り英語だけに触れるようにしてみましょう。映画、YouTube、オーディオブック、すべて英語にするのが理想的。
もし1日中は難しければ、午前中だけ、または通勤時間など限定的な時間帯でもOK。重要なのは、「英語の音を大量にインプットする環境」を意図的に作ることです。
洋画を活用する
リスニング力を伸ばすためには、音声だけでなく視覚情報も活用するのが効果的です。そこでおすすめなのが、洋画や海外ドラマを英語で観ること。
音声だけを聞いていても、意味が分からないと脳は情報を処理しきれません。しかし、映像があることで、登場人物の表情、ジェスチャー、場面の雰囲気など、多くの手がかりを得ることができます。これにより、聴覚系だけでなく視覚系や理解系のネットワークも同時に活性化され、英語の吸収率が飛躍的にアップします。
自分が面白いと思える映画だけ観る
「どんな映画を観ればいいの?」と悩む人もいるかもしれませんが、最も大切なのは「自分が面白いと思える作品を選ぶこと」です。
脳科学的に、私たちの脳は「興味を持った情報」ほど強く記憶し、処理しようとします。つまり、つまらない映画を無理に観ても、集中できずにただ音を流すだけになり、リスニング力はなかなか伸びません。
好きなジャンル、好きな俳優、何度も観たくなる作品を選びましょう。楽しみながら英語に触れることで、リスニング力は確実に向上します。
☑リスニングのおすすめ教材は、以下の記事を参考にしてみてください↓

英会話の正しいトレーニング法とは?
スピーキング上達には、運動系エリアの発達が欠かせません。
英会話が苦手な人の多くは、「英語を頭の中で理解できるけれど、口からスムーズに出てこない」と感じています。これは、脳の運動系エリアが十分に発達していないためです。
スピーキングとは、頭の中の情報を言語化し、口と舌を動かして発話する運動。したがって、スピーキング上達には「声に出す練習」が不可欠です。英語の音を実際に発し、運動系エリアを刺激しましょう。
日本語でスピーチ練習をする
「英語がうまく話せない」と悩む人の中には、日本語でも論理的に話すのが苦手なケースがあります。スピーキングでは聴覚系と伝達系のネットワークも重要な役割を果たしますが、日本語での会話力が弱いと、このネットワークが十分に機能しません。
つまり、日本語で話す訓練をすること自体が、英会話力の向上につながるのです。例えば、日本語で即興スピーチをする練習を取り入れると、伝えたいことを整理する力が養われ、英語でもスムーズに話せるようになります。
また、英語のシャドーイングも効果的です。音声を聞きながら声に出すことで、リスニング力と発話の瞬発力が同時に鍛えられます。

英語の構文操作で伝達系を鍛える
スムーズに英語を話すためには、英語の構文を自在に操れる力が必要です。脳の伝達系エリアを発達させるためには、文の構造を意識したトレーニングが有効。
例えば、能動態を受動態に変形する、現在形を過去形に変える、肯定文を疑問文にするなど、構文を変形する練習をしましょう。こうしたトレーニングによって、会話の中で素早く文を組み立てる力が身につきます。
この練習には、『瞬間英作文』シリーズの第3巻(赤い表紙)がおすすめ。シンプルな英文を変形する訓練を積むことで、英語を「考えずに口から出せる」状態に近づけます。
オンライン英会話は話題を設定してから始める
オンライン英会話を活用する際に注意したいのは、事前に話すテーマを決めておくことです。何も準備せずにフリートークをしようとすると、言葉に詰まり、あまり実りのない時間になってしまいがちです。
効果的な学習のために、あらかじめ話したいトピックを決めておくのがポイント。例えば、「週末の出来事」「最近読んだ本」「好きな映画」など、事前に話題を整理し、使いたい表現をチェックしておくと、スムーズに会話ができます。それらをメモした用紙を、そばに置いておきましょう。
事前準備をすることで、「言いたいことがうまく表現できない」というストレスが減り、自信を持って話せるようになります。
☑オンライン英会話は、以下の3社から選べばよいでしょう↓

脳科学的に正しい英語リーディングの学習法
リーディングを上達させるためには、視覚系・理解系・記憶系のネットワークを鍛えることが重要です。
スピーキングが苦手な人が聴覚系や伝達系のネットワークが未発達だったのと同様に、リーディングが苦手な人は、そもそも「読むための脳のネットワーク」が十分に発達していない可能性があります。
では、どのようにすれば効率的にリーディング力を伸ばせるのでしょうか?
リーディング力を鍛える最適な手段は「多読」
リーディングが苦手な場合、まずは日本語で読む習慣を増やすことが有効です。日本語でもあまり読書をしない人が、いきなり英語で読もうとしても、理解系のネットワークが未発達のため、スムーズに読めません。
最適なトレーニングは「多読」。しかも、自分が面白いと感じるものだけを読むのがポイントです。興味がある内容であれば、脳の伝達系エリアが活性化し、情報をスムーズに処理しやすくなります。逆に、退屈な文章を無理に読んでいても、脳はほとんど成長しません。
まずは日本語で背景知識をつけてから読む
いきなり英語で文章を読むのはハードルが高いため、先に日本語で背景知識をつけると、負担が減りスムーズに理解できます。
例えば、次のような方法が有効です。
– 和訳を先に読む(同じ文章の日本語版を先に読んでおく)
– 映画やドラマを吹き替えで見て、ストーリーを理解してから字幕版を観る
– 日本語の解説記事を読んでから、英語版のWikipediaを読む
これでも英語学習の効果はしっかり発揮されるので、無理に最初から英語だけで読もうとせず、段階的に負荷を上げていくのがポイントです。
自分の興味があるものだけを読む
リーディングでも、やはり「興味のある内容」を選ぶことが、脳のネットワークを強化する近道です。
おすすめなのが、Wikipediaを活用する方法。
1. 興味のある分野の単語を英語版Wikipediaで検索する
2. リンクをたどって関連する記事を次々に読む
3. 芋づる式に読書量を増やしていく
これなら無料でできる上に、好きなジャンルの専門用語や実用的な表現を効率よく学ぶことができます。
精読は「量を増やさない」のがコツ
リーディング力を伸ばすためには、「多読」と「精読」のバランスが大切です。
多読だけでは、単語や構文の理解が曖昧なままになることもあります。そのため、精読(細かく分析しながら読むこと)も取り入れるのが理想的です。
精読の際は、
– 構文を完璧に解読する
– わからない単語はすべて調べる
– じっくり丁寧に読む
といった方法を取りますが、ここで重要なのは「量を増やしすぎない」こと。
1日に1ページ、または2日で1ページ程度のペースでゆっくり取り組めばOK。精読はあくまでも「多読の補助」として活用し、メインの学習は多読にするのが効果的です。
☑精読のおすすめ参考書は、以下の記事を参考にしてみてください↓

脳科学的に正しい英作文の学習法
英作文を上達させるには、理解系・思考系・視覚系の脳ネットワークを効果的に活用することが重要です。
日本語で考える力が弱いと、英語でも論理的に文章を組み立てるのが難しくなります。そのため、英語ライティングの勉強では、「思考の整理」と「英訳のプロセス」を意識することがカギとなります。
まずは箇条書きから書き始める
英作文が苦手な人の多くは、「いきなり長い文章を書こうとする」ことで手が止まってしまいます。そのため、まずは思いつくことを箇条書きにするのがポイント。
例えば、自己紹介を書く場合:
出身地(I was born in Tokyo.)
趣味(I like reading books.)
仕事(I work as a web designer.)
このように情報を並べてから、それをつなぎ合わせて1つの流れのある文章にしていきます。文章を組み立てるハードルを下げることが、スムーズなライティングにつながります。
英語で考えてはいけない!
「英語で考えろ」と言われることがありますが、初心者がいきなり英語で考えようとすると、思考がまとまらず、フリーズしてしまうことが多いです。
むしろ、効果的な方法は以下の3ステップ:
2. 英訳しやすい日本語に変形する(短くシンプルな構造にする)
3. それを英語に訳す(英語の構文ルールに沿って書く)
まずは日本語で論理を整理し、翻訳しやすい形にしてから英語にすることで、スムーズな英作文が可能になります。
身近なものの紹介文を書いてみる
英作文の練習としておすすめなのが、「身近なものの紹介文を書く」こと。
・好きな本や映画のレビューを書く
・住んでいる街を紹介する
・お気に入りのカフェやレストランを説明する
こうした身近なテーマなら、具体的なイメージを持ちやすく、表現を考えやすくなります。また、書いた文章をオンライン英会話やAIツールで添削してもらうと、さらに効果的な学習につながります。
☑英作文のおすすめ参考書は、以下の記事を参考にしてみてください↓

英文法は個別に学習しない!
英文法を学ぶ際に重要なのは、「ルールを単体で覚えるのではなく、実際の文脈の中で学ぶこと」です。文法の理解には脳の理解系ネットワークが関わりますが、単にルールを暗記するだけでは記憶系しか使われず、実際に使えるスキルにはなりにくいのです。
単語の暗記と同じように、文法も「パターン」として覚えるだけでは、実践ではなかなか使えません。重要なのは、文法のルールを「実際の英文のなかで理解すること」。
文法を個別に学ぶのではなく、次のような形で「実際の英語に触れながら学ぶ」のが効果的です。
・リーディングの中で文法を意識する
→ 英語のニュース記事や小説を読みながら、「この文章はなぜこの時制を使っているのか?」を考える
・ライティングの中で文法を活用する
→ 自分の書いた文章を「文法的に正しいか?」という視点で見直し、間違いを修正する
・シャドーイングで文法パターンを身につける
→ 英語の音声を聞いてシャドーイングすることで、自然な文法の使い方を体で覚える
特に、ライティングでは 「書いた文章の文法をチェックする習慣」をつけることが大切です。ChatGPTを使えば、簡単に添削を受けられます。
☑ChatGPTを使って英語日記を書く方法を解説した記事↓

まとめ
英語学習で成果を出すには、脳の仕組みを理解し、それに合った学習法を取り入れることが重要です。
本記事で紹介したように、脳には8つのエリアがあり、リスニングやスピーキング、リーディング、ライティングといった各スキルに対応しています。これらのエリアを意識し、組み合わせて学習することで、効率よく英語力を伸ばせるでしょう。
また、脳は年齢に関係なく成長し続けるため、正しい方法で取り組めば何歳になってからでも成果が期待できます。
☑大人の英語学び直しロードマップを解説した記事↓
