外国語習得でもっとも重要なのはインプットの量。
これは第二言語習得研究ではっきりと実証されています。
ちょっと意外ですが、日本人にいちばん足りないのはインプットの量なんですよね。
ではどうやってインプット量を稼ぐのか。
ここで意識したいのが、読むだけじゃなくて聞くことも効果あるということ。僕も含めて日本人これ忘れがちです。
読むだけでは限界があるので、聞くことも上手く追加して英語のインプット量を増やしたいところ。
そこで強力な手段になるのが「オーディオブック」というアイテムです。洋書をプロのナレーターが音読してくれるサービスのこと。
とくにアマゾンのオーディブル(オーディオブック専門ストア)は、30日間の無料体験つきの定額サブスクサービスでお得。日本でもオーディブルの利用者は年々増加しています。
英語学習者がこのオーディブルを上手く使うと、絶大な効果が生まれます。ただし間違った使い方をすると時間と労力の無駄になるので要注意。
以下、オーディブルの正しい使い方を解説し、さらにおすすめ本を紹介します。
AmazonのAudible(オーディブル)はオーディオブック専門ストア
アマゾンのオーディブルは、オーディオブックを専門にあつかうストアのこと。
ユーザーは、有名な書籍やポッドキャストなどのコンテンツを、朗読や音声で楽しむことができます。
注目したいのは、今のオーディブルが聴き放題の超お得サービスを導入しているというところ。
以前は買い切りサービスでした。ナレーターへの人件費がかさむため、オーディオブックは値段が高い。それで利用しにくかったんです。
しかしオーディブルは、2022年からサブスクサービスへと変化します。月額1,500円で聴き放題になったんですね。しかも30日間の無料体験期間がついてきます。
日本ではサブスク変更後に会員数が50%も増加しています。
これで色んな洋書に気軽に手を出すことが可能になりました。インプット量を稼ぎたい英語学習者からすると天国のような状況。
しかもオーディブルは英語学習者に嬉しい機能が多いです。
たとえば…
ブックマーク: 聞き逃したり、もう一度聴きたい部分がある場合、ブックマーク機能を使って特定の箇所をマークすることができます。必要なときに戻って聴き直すことが可能。
ワードクリップ: 興味深い単語やフレーズに出会った場合、ワードクリップを使用してそれをマークできます。後で振り返ることができ、新しい語彙を定着させるのに有益。
スリープタイマー: スリープタイマーを設定して、指定した時間後に再生が停止するようにできます。集中用のタイマーとして使ってもいいし、寝る前に利用してもいい。
オフライン再生: Wi-Fi接続なしでもオフラインで聴けるように、ダウンロード機能がついてます。外出先や通勤中などインターネットにアクセスできない状況でも、気に入ったオーディオブックを楽しむことが可能。
…などなど。
とはいえ、オーディオブックは間違った使い方をすると効果がでません。これが要注意。
次はそれを解説します。
オーディブルの使い方間違ってませんか?
英語インプットを圧倒的に増やしてくれるオーディオブック。
しかし罠があります。
英語学習において大量インプットが効果を発揮するのは、「理解可能な英語をインプット」した場合にかぎるんです。
わからない英語を聞いていても時間と労力の無駄になるということ。この鉄則を破ってがむしゃらにインプットを繰り返した結果、ほとんど英語力が向上しなかったという方はめずらしくありません。
ではどうするか。
知らない単語がほとんど出てこない洋書を聞くというのが重要です。登場する単語の97%以上を把握している本しか聞かないようにします。
とはいえこれだと、すでにかなりの語彙数をマスターしている人でないと上手くいかないことになってしまいますよね。
じゃあどうするかというと、すでに読破済みの洋書を今度は耳で聞くことがおすすめです。
あるいは、最初に日本語訳で読んだお気に入り本を、次は英語で読み、そして最後にオーディオブックで繰り返し聞く。このパターンも超有効。
最低でも映画版を見て内容をしっかり熟知している作品を聞くなどの工夫は必要。
要するに知識ゼロの状態で聞こうとしないことが大事です。
「理解可能な英語をインプット」をしないと効果がないという点は肝に銘じておく必要があります。
超がつくほどのお気に入り作品ができればしめたものです。そういう本は繰り返し聞きましょう。
一回で終わらせるのではなくて、まずは日本語で読む→次に英語で読む→次にオーディオブックで読む→さらにスピードを上げてオーディオブックで周回、というふうに何度も再利用するのがおすすめ。
このように倍速でどんどんスピードを上げて周回していくと、英語力が上がるのはもちろん、頭自体もよくなり、さらに作品への理解度も増します。
英語学習に効くオーディブルのおすすめ洋書はこれ
せっかくなのでオーディブル聴き放題の対象になっているおすすめ洋書をいくつか紹介しておきたいと思います。
・R. J. Palacio『Wonder』
顔に障害をもつ男の子とその家族、クラスメートたちの成長物語。感動的なベストセラー。続編も聴き放題に収録されてます。
・Michael Crichton『Jurassic Park』
映画版で有名なジュラシックパーク。当然ながら原作も面白い。クライトンの文章は読みやすい。
・Agatha Christie『The Mysterious Affair at Styles: A Hercule Poirot Mystery』
ミステリの女王アガサ・クリスティのデビュー作。この人も読みやすい文章。
・『Darren Shan』
日本でも子どもに人気のヴァンパイア系作品。シリーズ全部聴き放題。
・E. H. Gombrich『A Little History of the World』
イエール大学が出版しているリトルヒストリーシリーズの一冊。これは世界史。哲学編も聴き放題に収録されてます。
・Robert Kiyosaki『Rich Dad Poor Dad』
投資家のバイブル『金持ち父さん貧乏父さん』の原書です。
・Burton G. Malkiel『A Random Walk Down Wall Street』
インデックス投資のバイブル。この人がいなければインデックス投資は普及していなかったかも。
・Richard H. Thaler『Nudge: The Final Edition: Improving Decisions About Money, Health, and the Environment』
行動経済学を一般読者向けにわかりやすく解説した本。この分野の定番書になっています。
・Susan Jeffers『Feel the Fear and Do It Anyway』
自己啓発系の名著。怖れを感じるのは当然。注意をそこに向けずとにかくやってみるのが大事と説きます。
・Eckhart Tolle『The Power of Now』
現代のブッダによる悟りへの導きの書。アメリカではこの人の本が何百万冊も売れます。続編の『New Earth』は北米だけで600万冊を超えている模様。
・Louise L. Hay『You Can Heal Your Life』
セルフアファーメーションの定番書。日本ではあまり知られていませんが、海外では5,000万冊以上も売れているウルトラベストセラー。
まとめ
以上、英語学習者に向けたオーディブルの解説記事でした。
ざっくりとまとめておきます。
・読むことだけでなく聞くことも重要なインプット源
・オーディオブックを上手く利用するとインプット爆増させられる
・Amazonのオーディブルは2022年から一部が定額聴き放題に変化(30日間の無料体験期間あり)
・理解可能な英語をインプットしないと学習効果は出ないので注意
・すでに内容を知っている洋書を聞くのがおすすめ
・まず日本語で読む→次に英語で読む→次にオーディオブックで聞く→速度を上げてオーディオブックで周回、というふうにお気に入りの1冊を何度も再利用する