英語の試験や資格といえばTOEICと英検が二枚看板。他にも色々ありますが、日本ではこの2つの認知度が飛び抜けています。
では、TOEIC900点と英検1級ではどちらが難しいのでしょうか?
実は英検1級のほうが圧倒的に難しいです。
以下、その理由を解説します。
英検1級のほうが難しい
TOEIC900点よりも英検1級のほうが難しいです。しかもちょっとやそっとの差ではなく、大差で英検1級が難しいです。
大きな理由は次の3点。
・英語の4技能をすべて要求されるから
・内容が学術的だから
・一般教養は必要だから
理由その1 英語の4技能をすべて要求される
TOEICはリーディングとリスニングしか課されません。前半がリスニング、後半がリーディング。
一方で英検はリーディングとリスニングに加えて、ライティングとスピーキングがあります。ライティングはテーマに沿った長文エッセイの執筆、スピーキングは二次試験での面接です。
日本人が苦手なのはアウトプットですよね。読むことと聞くことはできても、書くことや話すことはできないという人は非常に多いです。
英検ではこのアウトプット能力までもが要求されてしまいます。この時点ですでに英検のほうが圧倒的に難しいといえるでしょう。
理由その2 内容が学術的
TOEICは日常やビジネスのシーンがテーマになっています。登場する英単語も社会人であれば馴染みのあるものが多め。
一方で英検1級(特にリーディング)はテーマが化学、生物、地学など多岐にわたります。そのため学術的な用語がバンバン登場するんですよね。たとえばalloy(合金)とかpotassium(カリウム)とかoxidation(酸化)とか。
日常で絶対使わないだろって単語が容赦もなく出てくるわけです。極端な話、仮に日本語で書かれていたとしても、けっこう難しく感じる人はいると思います。
理由その3 一般教養が必要
上述したように英検はライティングも課されます。しかもそのテーマがかなり高度です。
たとえば「平均寿命の延びは社会全体に有益な影響をもたらすか否か」とか「将来世代はロボットへの依存が多くなるか否か」とか。
これらのテーマについて賛成か反対かを表明し、その立場をもとに、主張→理由→結論のアカデミックライティング形式で書いていく必要があります。
ただ英語力があるだけでは書けないですよね。正直なところ、日本語で書いていいとしても大半の日本人が落ちるはず。英語力に加えて教養も必要になってくるのが英検1級です。
TOEICのほうが難しいといえる点は分量
このように英検1級はTOEIC900点よりもだいぶ難しいですが、TOEICのほうがきつい部分も実はあります。
TOEICは分量が鬼という点がそれです。リーディングは75分間に100問を解かなければならず、これが尋常でなく大変。とくにパート7のヤバさは有名です。
TOEICを最後まで解き終えるのは至難の業で、僕が900点取ったときも最後の十数問は塗り絵でした(逆にいうと最後まで終わらくても900点くらいなら取れる)。
一方で英検は時間的にはわりとゆとりがあります。まあ大学受験の英語みたいな感じですかね。
ここらへんを見ると、TOEICと英検では測ろうとしている能力が違うとわかりますよね。英検は英語力や教養といったアカデミックな力が、TOEICは瞬発力や集中力や体力といったビジネスマン的な力が要求されているのでしょう。まあ英検1級に受かるレベルの人は何をやっても上手くいく場合が多いとは思いますが。
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まずは英検1級よりもTOEICを優先しよう
このように英検1級はあまりにも高度です。
しかもそのわりに英検1級保持者がいかに凄いかが世間ではあまり認知されていません。
パスポートとしての役割を期待するならTOEICで十分なんですよね。だからまずはTOEICのスコアを伸ばすことに注力したほうが効率的です。
大は小を兼ねるで英検の勉強を進めるのもありだとは思います。英検の勉強なら4技能すべてを伸ばせますからね。しかしその場合でも準1級で十分です。準1級でも4技能が要求され、学習の過程で能力が総合的に伸びますから。
よほど余裕のある実力者以外は1級に労力をさく必要はないでしょう。