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TOEICって具体的に何点ぐらいを目標にしたらいいんだろう?目安になるスコアとかあるのかな?
TOEICは、就職や昇進の要件として求められることが多い試験です。しかし、初心者にとって「何点を目指せばいいのか分からない」と悩むこともあるでしょう。
そこで本記事では、初心者にとって現実的かつ実用的な目標として600点を設定し、そのための勉強法やおすすめの参考書を紹介します。
なぜ600点なのでしょうか?
TOEIC600点は、多くの企業が「業務で最低限の英語力がある」と判断する基準です。実際、社内の英語研修や海外出張の選考基準として600点を求める企業も多く、ビジネスパーソンにとって重要なラインとなっています。
また、600点を取得すれば、英語の基礎力が身につき、日常会話や簡単な英文の読み書きもスムーズになります。
まずは600点を目標に設定し、それを達成することが英語力向上の第一歩。その上で、さらなるスコアアップを目指すのも良いでしょう。
本記事では、TOEIC600点を取るための効果的な勉強法やおすすめの参考書を詳しく解説します。
TOEIC公式問題集を解いて試験の形式を知る
まずいきなり公式問題集を解くのがおすすめです。
TOEICがどんなテストで、自分の今の実力がどのくらいかを把握できるからですね。最初に敵を知り己を知るのが肝心です。
今の段階ではぜんぜんできなくてもオーケー。
だいたいの感じがつかめたら公式問題集はしばらく封印します。ここからは参考書を使って英語力の底上げを狙います。
次に公式問題集を使うのは試験の直前(2~3週間前から)でオーケー。
良質な参考書で英語力そのものの底上げをして、試験直前に何回も公式問題集を解くことで英語力をTOEIC用にチューニングするイメージです。
買うのは1冊だけで十分です。まずは1冊を何周もすることになります。
いちばん新しいバージョンを購入してください。最新の動向を盛り込んでいるので、最新の問題集をやったほうが本番で有利になります。
TOEIC公式問題集の使い方は以下の記事で解説しています↓
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中学~高校レベルの英文法を復習しよう
英語を読むにも聞くにも文法の知識が欠かせません。
ということでまずは高校レベルの英文法を復習しましょう。高校レベルの英文法をマスターしていればTOEICのリスニングやリーディングには完璧に対応できますし、パート5の文法問題でも満点を狙えます。
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ちなみに、英単語とは異なり、英文法は高校レベルでほぼどんな場面でも通用します。洋書多読や英字新聞でも高校レベル以上の文法が要求されることは稀。せっかくなのでここで高校レベルの英文法をマスターしてしまうのもおすすめです。
参考書は2冊用意します。文法の解説書と、文法ドリルです。
評価の高い参考書なら何を使ってもいいと思います。個人的におすすめなのは、まず文法の解説書では『総合英語Evergreen』。
そして文法ドリルでは『全解説 頻出英文法 語法問題1000』です。
中学英語に穴があって高校レベルの参考書を活用できない場合は、『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく』(学研)をやりましょう。とてつもなくわかりやすい有名テキストです。
中学英語は土台としてこの上なく重要です。ここが固まっているかどうかで、その後の伸びがまったく違ってきます。
中学英語に自信がない場合は、ためらわずにこのテキストに戻って復習してみてください。
TOEIC専用のテキストはやる必要ありません。上記の参考書をしっかりとこなしていけば、ほとんどの問題に対応できるでしょう。
TOEIC専用教材は、問題形式に慣れるのには役立ちますが、英語力そのものの底上げにはあまり向いていません。特に600点を目指す段階では、基礎力をつけることが優先されるため、TOEICに特化したテキストで学習するのはやめたほうがいいです。
それでもTOEIC専用の文法テキストをやりたいなら、ある程度の基礎力をつけたうえで、『TOEIC L&R TEST 初心者特急パート5』をやるのがおすすめです。
これを使ってTOEIC独自のひっかけ問題に慣れておくと万全です。
完璧主義を捨てよう
文法を勉強するコツは完璧主義を捨てること。
英文法の解説書を隅から隅まで通読する必要はありません。とりあえず基本文型だけをマスターしていけばオーケー。細かい補足情報みたいなのはスルーしましょう。
学校で習った英語をそこそこ覚えているようなら、先にドリルを解くのもあり。そして間違えた文法だけを解説書で確認し、解説を熟読したうえで例文を10回ぐらい音読します。
英単語は文章のなかで覚えよう
文法と並んで欠かせないのが英単語の知識です。やはりこれがないとリスニングもリーディングも太刀打ちできないですから。
こちらもまずは中学~高校レベルの英単語を復習します。
参考書は速読英単語シリーズがおすすめ。中学レベルからTOEIC900点レベルまで、英単語学習はこのシリーズをやっていけば対応できます。
単語はこの参考書のように文章のなかで覚えていきましょう。
一見遠回りに思えますが、他の情報と関連させて暗記したほうが単語は覚えやすいですし、長期的に忘れにくくなります。
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おまけにこのシリーズを使えば英単語を覚えつつリーディングとリスニングの訓練にもなります。
TOEICには独特のビジネス系英単語も登場しますが、それは公式問題集に取り組むときに暗記すればオーケー。
専用の英単語テキストとかは必要ないです。
英単語学習のコツは一発で完璧に覚えようとしないことです。
テキストは何周もするのが基本。一度覚えた英単語を翌日や翌週に忘れていてもそれが普通なのでガッカリしないでください。
2周目は忘れている単語にチェックマークをつけていきましょう(覚えた単語にチェック入れるのはおすすめしない)。
そして3周目は2周目でチェックをつけた単語だけを復習。4周目は3周目でチェックをつけた単語だけを復習。
このように3周か4周すれば大半の英単語をものにできるでしょう。
時間がない人には『出る単特急 銀のフレーズ』もおすすめ
速読英単語による単語暗記は非常に強力なのですが、弱点は学習に時間がかかること。長期戦になることは最初から前提になっています。
どうしても時間がなくて、英単語だけをさっさと覚えていきたいという人は、他の英単語テキストを使ってもいいと思います。
おすすめは『銀のフレーズ』です。
『金のフレーズ』が有名ですが、そちらは若干レベルが高め。TOEIC600点を目指す段階の初心者は、その1ランク下の『銀のフレーズ』を使うのがよいでしょう。
これはあくまでも時間がない人向けです。長期戦で英語学習をしていくなら、速読英単語のような長文テキストを使って英単語を覚えていくのが絶対におすすめです。
リスニングは精聴から多聴へ
リスニングはまず正確性にこだわります。多聴ではなく精聴をメインにしましょう。
おすすめの参考書はTOEIC公式が出しているリスニング問題集。話者が本番と同じ人なのがポイント。
これを使って精聴のトレーニングをします。
精聴の手順は以下のとおり。
2. スクリプト(台本)を見て内容を確認
3. 聞き取れていなかったところにマーキング、知らない単語はその場で覚える、構文も和訳を参照しながら完璧に理解する
4. スクリプトを見ながら音声を聞き同時に音読(2~3回)
5. もう一度音声だけを聞いて完璧に聞き取れるかチェック
6. 余裕があればスクリプトを見ずに音声と同時に音読(シャドーイング)
6のシャドーイングはやらなくてもいいですが、やればとてつもない効果が期待できます。
一度精聴した音声はそれで終わりにせず、空き時間にくり返し聴くことになります。これが多聴の役目も果たしてくれます。多聴はこれと速読英単語の音声だけで十分です。
リスニング学習ではディクテーション(英語を聞いて書き取る)をおすすめする教師も多いですが、負荷が高すぎるので無理してやる必要はないと思います。
全部聞き取れなくても大丈夫
リスニングパートは大まかに理解できればオーケーです。
実際に本番の試験を受けると、聞こえてくる英語がぜんぜんわからないみたいな状態になると思います(とくにパート3とパート4)。
しかし安心してください。周りにいる受験者の大半が同じ状態です。900点取る人ですら8割ぐらいしか聞き取れていません。
6割ちょい聞き取れれば十分600点は狙えます。聞き取れなかった部分はもう忘れてください。全体の流れを状況をイメージするように努めれば、多くの問題は正解できます。
途中であきらめず、拾える問題を愚直に拾っていきましょう。
リーディングは精読と音読をメインにする
リーディングも精読をメインにしましょう。
まずは文章の意味を正確に理解できるようになることが第一です。読むスピードはまだ気にしなくても大丈夫。
参考書は速読英単語シリーズを使います。英単語学習のところで紹介したやつですね。
要するに別個にリーディングの参考書を用意する必要はないんです。英単語増強のために使う長文テキストの読解が、そのまま長文トレーニングにもなります。
速読英単語を使っていると、単語を覚える過程で長文を読解していくことになりますよね。これが精読のトレーニングになります。
速読英単語シリーズには音声も付属していますから、これを使って音読トレーニングも行いましょう。
音声を聞きながら、長文をくり返し音読します(1セクションにつき最低でも合計10回)。
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音読はこのようにモデル音声に従って行うのがポイントです。
音読をくり返していると、英文を左から右へと順番通りに読解する技術が身についていきます(音読中は返り読みができないから)。これによって読解力が格段にアップします。
TOEIC600点を目指す段階では、多読は無理してする必要ないです。速読英単語とTOEIC公式問題集を何周もしていれば十分。
読解のスピードもこの段階ではあまり気にしなくていいです。
焦ったせいで取れる問題を落とすより、着実に取れる問題を拾うほうが重要。ぜんぶ解けなくても600点には届きます。
Part7の長文は最後まで終わらないのが普通
TOEIC本番では、パート7はとくに絶望するかと思います。とんでもない分量で、解いても解いても終わらないんですよね。
でも安心してください。心が折れてるのは周りの受験者も一緒です。
僕が新形式で900点を取ったときも最後まで終わりませんでした(最後の15問ぐらい塗り絵)。
満点近くを取るごく一部の受験者を除けば、ぜんぶ解き終わる人はいません。ぜんぜん終わらなくても絶望しないようにしましょう。
拾える問題を着実に拾っていけば600点は余裕で届きます。
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アプリを使うなら「スタディサプリENGLISH TOEIC® L&Rテスト対策コース」
TOEIC対策をする上で重要になるのが、スキマ時間の活用です。細かいスキマ時間をいかに上手に使うかで、総合的な学習時間がまったく違ってくるからです。
そしてスキマ時間の活用に最適なのが、英語学習アプリを利用すること。
ではどんなアプリを使えばTOEIC対策に効くのでしょうか?
ここでおすすめしたいのが、圧倒的な人気を誇るTOEIC対策アプリ「スタディサプリENGLISH TOEIC® L&Rテスト対策コース」です。
このアプリは初心者から上級者まで幅広いレベルの学習者に対応していて、特に600点を目指す方にとって最適なカリキュラムが用意されています。以下の特徴を活用すれば、効率的にスコアアップを狙うことができるでしょう。
「スタディサプリENGLISH TOEIC® L&Rテスト対策コース」の主な特徴
✅ TOEIC20回分相当の演習問題
本番さながらの演習問題を豊富に収録。問題形式に慣れることで、試験当日も落ち着いて解答できるようになります。
✅ レベル別の単語クイズ
TOEIC頻出単語を効率よく学習可能。600点を目指すレベルの単語を重点的に学べるので、語彙力アップに最適です。
✅ わかりやすい講義動画
大人気講師の神授業で、TOEICの出題傾向や解法テクニックを学べます。特に「Part 5の文法対策」や「リスニングの攻略法」は600点突破のカギとなるため、必見です。
✅ ディクテーション機能
リスニング力を鍛えるのに最適なディクテーション(書き取り)機能を搭載。聞き取れなかった部分を可視化することで、苦手な音のパターンを発見し、克服できます。
✅ マイクを使ったシャドーイング機能
スピーキング力も鍛えられるシャドーイング機能付き。発音やイントネーションの矯正にも役立ちます。
✅ AIが学習状況を分析し、苦手分野を重点的に学習できる
アプリが学習データを分析し、あなたに最適な学習プランを提案。特に苦手なパートを重点的に学べるので、無駄なくスコアアップが可能です。
料金と無料体験
このように充実した機能が揃っている「スタディサプリENGLISH TOEIC® L&Rテスト対策コース」ですが、月額3,278円(税込)で利用可能。
スキマ時間を活用してスコアを伸ばしたい方にとっては、非常にコスパの良い自己投資になります。
さらに7日間の無料体験もあるため、「本当に自分に合うのか?」と迷っている方も、まずは試してみることをおすすめします。
☑公式サイトを見る→ 英語学習の新定番!スタディサプリ ENGLISH まずは無料体験!
TOEICは長期的に学習しよう
TOEIC600点と言っても、付け焼き刃の勉強で無理やり600点取るのと、基礎学力をしっかり向上させる過程で600点取るのではだいぶ違います。
600点を取った後の経過が違ってくるんですよね。
付け焼き刃でクリアしただけだとその後の成長は鈍化しますが、しっかり基礎学力をつけておくとそれが土台になってその後もぐんぐんと英語力が伸びるようになります。
英語力を長期的に伸ばしていきたいならここでしっかりとした基礎力を育てておくほうがいいです。
英語学習は3~6ヶ月で成果が出るといわれています。早くても3ヶ月かかるんですね。
だからTOEICを受験する期間は最低でも3ヶ月空けるのがいいです。毎月受けまくってもあんまり意味がないので要注意。
半年に1回もしくは1年に1回のペースで受験するのがよいでしょう。こうすれば勉強したぶんの実力の伸びが反映されます。
それでもTOEIC600点を超えられない人が取るべき対策
これまで紹介した勉強法をしっかり実践すれば、多くの人がTOEIC600点を達成できるはずです。
もし初めて受験するのであれば、まずは基本の学習を継続し、試験に挑戦してみましょう。本番で得られる気づきも多いですよ。
初回で目標に届かなくても、そこで得た学びを活かせば、2回目では目標を超える確率は圧倒的に高まります。
しかし、もし3回以上受験しても600点の壁を突破できない場合、なにか学習方法に問題がある可能性があります。
自分の勉強スタイルを振り返り、次のポイントを意識してみてください。
1. 毎日の学習時間を確保する
スコアが伸び悩む主な原因の一つは、単純な「勉強時間の不足」です。
「勉強しているつもり」になっていないか振り返ってみましょう。実際にどれだけの勉強量を確保できているかを確認することが重要です。
そして、一度に長時間学習するよりも、毎日コツコツ積み重ねるほうが効果的です。
例えば、1日10時間勉強して翌日から9日間なにもしないよりも、10日間毎日1時間ずつ勉強するほうが力がつきます。
これは、「エビングハウスの忘却曲線」と呼ばれる記憶の特性によるもので、人間は1週間後には学んだことの約70%を忘れてしまうのです。したがって、「忘れる前に復習する」ことが、知識を定着させるカギとなります。
学習時間を確保する方法
学習時間の確保が難しい場合は、現在のスケジュールを見直してみましょう。
・朝の30分で問題演習、寝る前の30分で暗記
・すでに習慣となっている行動(食事など)に英語学習を紐づける
・スキマ時間を活用してアプリで学習
…などが個人的にはおすすめ。
自分の生活スタイルに合わせて、無理なく継続できる方法を考えてみてください。
2. TOEICに特化した対策を行う
十分な学習時間を確保し、ある程度の英語力が身についているにもかかわらずスコアが伸びない場合、TOEIC向けの対策が不十分である可能性があります。
TOEICは出題形式が決まっているうえに、けっこうクセの強い試験であるため、
・出題パターンを把握する
・ビジネス系の頻出単語を効率よく暗記する
といった「TOEICに特化した学習法」が大きな威力を発揮します。
英語全般の基礎力を上げる学習をちょっとだけ停止して、TOEIC用にチューニングされた学習を意識してみるとよいかもしれません。
たとえば単語学習で銀フレを採用してみるとかですね。
3. 専門家の指導を受ける
独学でもスコアアップは可能ですが、以下のような課題を感じる人もいるでしょう。
・自分の学習方法が正しいか分からない
・一人だと学習の継続が難しい
TOEIC対策は長期戦になりやすく、「このやり方で本当に大丈夫なのか?」という不安を抱えながら続けるのは大変です。
そんな時、プロの指導を受けることで、効率的にスコアアップを目指せます。
専門的な知識を持つ講師であれば、あなたの弱点を的確に分析し、最適な学習法を提案してくれるでしょう。
プロの指導を受けると費用がかかるものの、近年はリーズナブルなオンライン英語スクールやコーチングサービスも増えています。
効率の悪い学習を続けると、余計な労力や時間がかかる上、TOEICの受験料も積み重なってしまいます。
なるべく短期間でスコアアップを実現するためには、スクールを活用するのも一つの選択肢です。
実際に、多くの受講生が「3ヶ月で300点アップ」といった成果を出しています。
通常は「4.5ヶ月で100点アップ」が目安ですので、指導を受けることで大幅に効率が向上することが分かります。
TOEIC用の英語コーチングサービスを解説した記事↓
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まとめ
TOEIC初心者向けに、600点を取るための参考書と勉強法を解説しました。
最後にざっくりとまとめておきます。
✅ まずはTOEIC公式問題集を解いて試験の形式をつかむ
✅ 英文法をマスターする(おすすめ参考書:Evergreen、頻出英文法問題1000)
✅ 英単語は文章の中で覚える(速読英単語シリーズを活用、時間がない場合は銀のフレーズ)
✅ リスニングは精聴を重視し、公式の音声を活用する
✅ リーディングは精読と音読を中心に訓練する
✅ スキマ時間には「スタディサプリENGLISH」のアプリを活用