英単語の暗記で心が折れそうになるのは、英語学習あるあるの一つです。
覚えるだけでもしんどいのに、せっかく覚えたものを忘れてしまうと精神的にくるんですよね。ゲームのセーブデータが消えた的なつらさがあります。
しかし実は、科学的に効果が実証された英単語学習法があるんです。
ポイントは文脈のなかで単語を覚えることと、正しい復習のペースを意識すること。
この記事では、その方法をわかりやすく解説します。
【英単語の暗記に失敗する原因】なぜ覚えられないのか?
まずは英単語学習に失敗してしまう原因からみていきましょう。
ポイントは次の2つ。ここを変えると成果が劇的に変わります。
2 復習のペースが間違っている
間違いその1 英単語を個別に覚えようとしている
英単語を個別に覚えようとするのはよくないです。他の情報から切り離して、文脈抜きで暗記しようとする方法ですね。
短期記憶にしまい込むことならなんとかなるんですが、長期記憶に英単語を保存しようとするなら、この方法はまずいんです。
洋書を当たり前のように多読する段階まで進めばこの方法でもなんとかなるんですが、初心者~中級者のうちはこのやり方では単語力は伸びません。
間違いその2 復習のペースが間違っている
一回の学習だけで英単語を長期記憶に保存するのは無理です。だから復習が大事になってきます。
問題になるのは復習のペース。ここを間違えると非効率的な努力になってしまいます。
そもそも復習しないでどんどん進むとかよりはマシですが、ペースをよく考えておかないとなかなか英単語は記憶に定着しません。
【英単語の記憶術】忘れない暗記法とは?
英単語の暗記学習で多くの人が間違えがちなポイントが明らかになりました。
ではどうすればいいのか?
対策をお教えします。ポイントは次の2つです。
2 参考書はセグメントに分割して復習を挟む
対策その1 英単語は長文のなかで覚えよう
英単語は他の情報から切り離して個別に覚えようとしてはいけないのでした。
ですから、なるべく他の情報と絡めて覚えるようにします。
具体的にいえば、長文の文脈のなかで英単語を学習すること。これがポイントです。
覚える情報が増えて逆に大変そうに思えるかもしれません。
しかし情報というのは、他の情報とリンクさせたほうが長期記憶に残りやすいんです。だから長期的にはこの方法のほうが圧倒的に楽ができます。
おすすめテキストはZ会が出している「速読英単語」シリーズです。
関連:洋書を読めるようになるために必要な英単語学習【参考書はこの2種類でOK】
多読も効果があります。
多読をすると、一度覚えた英単語に繰り返し出会うことになりますよね。しかもそのたびごとに、英単語は微妙に異なったニュアンスで登場します。
すると英単語の細かいニュアンスが深く身につき、文脈の情報と合わさることで長期的な記憶に保存されやすくなるのです。
ただし、これは中級者以上向けの方法です。
初心者のうちは無理に多読をしようとはせず、「速読英単語」の長文のなかで単語を覚えていけば十分です。
ついでにいっておくと、グーグル画像検索を使う裏技もあります。
英単語を検索窓に入力し、画像検索してみてください。その英単語に対応する画像がいくつも表示されますよね。
画像という強力な文脈と結びつけることで、長期記憶化しやすくなります。
すべての英単語を画像検索するのは時間も手間もかかりすぎるので、まずは普通にテキストで暗記し、どうにも相性が悪いという英単語だけグーグル画像検索するのがおすすめです。
対策その2 参考書はセグメントにわけて復習を挟む
英単語学習でやらかしてしまいがちな失敗の2つ目は、復習のペースを間違えることでした。
ということは、正しい復習のペースをつかむことが重要になってきます。
まず大前提として、復習は欠かせません。
一度学習しただけで英単語を長期記憶に保存することはまず無理ですからね。なんども繰り返すことで、おぼろげだった記憶が身体の芯に定着していきます。
この復習というのがなかなかに面倒くさいんですが、習慣化してしまえばなんとかなります。
関連:1日で英語学習に飽きる人へ【習慣化のコツは細分化にあり】
では、どうやって覚えた英単語を復習するのが効率的なのか?
まず重要なのは、参考書をセグメントに分けることです。
たとえば300ページのテキストがあったとしましょう。これを300ページぶっ通しで学習することはしません。
そうではなく、50ページずつの6つのセグメントに分けます。
そして一つのセグメントが終わったら、次に進むのではなく、そのセグメントを復習するのです。
最初から最後まで一気に学習するのは止めましょう。
300ページまで終わったときには、最初のほうの英単語を完全に忘れてしまっていると思います。こうなると復習の効果が発揮されないんですよね。
300ページ目どころか、60ページ目に進んだあたりですでに、最初の方の単語は忘却の彼方にあるはずです。それから復習したのでは遅すぎます。
覚えているのか忘れてしまったのか微妙なライン、そのタイミングで復習すると最大の効果が発揮されると脳科学でも実証されています。
ですから30ページとか50ページとかちょうどいい分量を見つけて、定期的に復習を差し挟むことが効果的な学習になります。
この方法で英単語学習を進めると、テキストは何回も行きつ戻りつすることになります。
50ページ進む→50ページ目まで復習する→100ページ目まで進む→50ページ目まで復習→51ページから100ページ目までを復習→150ページ目まで進む→以下同様
…というふうに。
こんなまどろっこしい方法じゃいつまでたっても終わらないと感じるかもしれませんが、安心してください。長期的にみればこれが近道です。
この方法なら記憶が深いところまで定着するので、テキストの周回も圧倒的なスピードでこなせるようになります。
きついのは1周目ぐらいで、あとはサクサク進みますよ。
それからもう一つポイントがあって、それは1日の学習を復習から始めることです。
いきなり新規の英単語に飛び込むのではなくて、過去に覚えた英単語のチェックから始めます。
こうすると暗記した英単語が記憶に残りやすくなるんです。
どこまでさかのぼればいいのか?
僕の場合は10日ぶんをさかのぼって復習していました。これは土屋雅稔の『英語学習最強プログラム』(ベレ出版)という本の教えにしたがったからなんですが、今思うとそこまでやる必要はなかった気もします。
多くても一週間ぶん、あるいは3日分ぐらいの復習で十分かもしれません。それでも面倒くさいという場合は前日に覚えた英単語のチェックだけでもいいです。それだけでぜんぜん違ってきますよ。
まとめ
以上、英単語の記憶術と復習法についての解説でした。
最後に内容をざっくりまとめておきます。
よくある質問
Q1. 英単語を1日に何個覚えるのが理想ですか?
A: 効率的に覚えるには、1日10単語が目安です。
速読英単語にせよ究極の英単語にせよ、毎日見開き2ページずつ進めていくと、だいたいこのぐらいの分量になります。
復習を前提にすることが重要です。一度に大量の単語を覚えると、復習にまで手が回らなくなる可能性が高まります。
1日ごとに「新しい単語 + 過去の復習単語」を組み合わせると、記憶の定着率が上がります。
Q2. 暗記が苦手でも英単語を覚えられますか?
A: はい、単語の覚え方を工夫すれば、暗記が苦手でも大丈夫です。
- イメージや例文と一緒に覚える(単語単体ではなく、文脈ごと覚える)
- 何度も復習する
- 語源や語呂合わせを活用する
「ただ繰り返し書く」よりも、ストーリーやイメージと結びつける方が記憶に残りやすい です。
Q3. 覚えた単語をすぐに忘れてしまうのですが、どうすればいいですか?
A: 「忘れる」のは当然ですが、復習のタイミング を工夫すると記憶に定着しやすくなります。
- 1日後・3日後・1週間後・1ヶ月後に復習する
- 単語帳アプリのリマインダー機能を活用する
- 会話やライティングで実際に使う(アウトプットすると記憶が強化される)
1回で完璧に覚えようとせず、少しずつ思い出す機会を増やすこと が大事です!
Q4. 1日5分しか勉強できません。それでも単語は覚えられますか?
A: はい。スキマ時間を活用すれば、5分でも効果的に覚えられます。
- 朝起きたときに単語を3つチェック
- 通勤・通学中に単語帳アプリを開く
- 寝る前にその日覚えた単語を復習
…というふうに。
「細切れ時間にちょこちょこ学習する」ことを続ければ、1ヶ月後には大きな成果になります。
Q5. 日本語訳なしで英単語を覚えたほうがいいですか?
A: 初心者~上級者は日本語訳あり、超上級者は英英で覚えるもおすすめ。
- 基本的には日本語訳つきでOK(意味が分からないと覚えにくいため)
- 究極の英単語vol4を超えるレベルに達したら、英英辞典の定義を読む(英語で理解する力がつく)
最終的には「イメージ」や「文脈」で理解できるようになるのが理想 です。
Q6. 英単語を効率的に覚えられるアプリはありますか?
A: 以下のアプリが人気です。
- Anki(SRS機能で最適な復習タイミングを管理)
- Quizlet(フラッシュカードで効率よく覚えられる)
- mikan(直感的な操作でサクサク暗記)
スマホで手軽に学べるので、スキマ時間を活用できます。
ただし寝る前の暗記学習にはスマホは使わないでください。睡眠の質が落ちますし、脳のパフォーマンスやメンタルに悪影響がでます。
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