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多読で英語力がみるみるアップする方法【3つの注意点】

多読には凄い効果があるらしいけど、なんか注意点とかあるのかな?とりあえず手当たりしだいに読んでるけど…

英語学習における多読の効果は、いまや科学的にも実証されています。たとえば2001年にケンブリッジ大学で行われた研究が有名ですね。

しかし多読には押さえておくべきポイントがあって、これを外すといくら多読をしても英語力が伸びないということになりがちなんです。

たとえば英語の多読学習を普及させた第一人者、酒井邦秀の『快読100万語!ペーパーバックへの道』(ちくま学芸文庫)によると、多読のポイントは3つあります。

・辞書は使わない(簡単な洋書だけを読む)
・わからないところは飛ばして読む
・読むのが苦痛な本は途中で投げ出す

逆にいうと、辞書を使わなくては理解できない洋書を選び、難しいパートを精読し、面白くなくてもがんばって最後まで読もうとすると、多読は失敗するということですね(たぶん誰にでも経験あるかと)。

今回はこの3つのポイントを中心に、英語多読の効果的な方法について解説したいと思います。

辞書は使わずに読む(簡単な洋書だけ読もう)

いちばん重要なのは最初の「辞書は使わない」ということ。

といっても、ヒントを見ずに自分の頭で考えろ的な意味ではないですよ。そうではなくて、辞書を引かなくても読める本を読めということです。

多読中心の学習塾で成果を出している古川昭夫によると、辞書を使っていいのは10ページに1回だけ。それ以上辞書に頼らなければ理解できない本は、多読のテキストにはならないんです。

 

古川が『英語多読法』(小学館101新書)で提唱した、次の公式に注目しましょう。これは科学的にきっちり実証されたものではありませんが、学習塾での現実に裏打ちされています。

多読による英語力の成長=読書量×理解度4乗

理解度は最大で1です。完璧に理解している本は、読書量がそのまま英語力の成長につながる。たとえば100ページ読めば、100ページぶん成長します。

英語力の成長=100ページ×1の4乗=100×1=100

 

理解度が半分なら0.5。これが4乗されますから、数値は驚くほど低くなります。たとえば100ページ読んだ場合、そこに0.5の4乗すなわち0,0625がかかります。

英語力の成長=100ページ×0.5の4乗=100×0.0625=6.25

100と6.25では圧倒的な差がありますよね。理解度が半分になるだけで、こんなに違いが生じるんです。

 

そうはいっても8割ぐらい理解していれば相当な成果が挙がるだろうと思えますが、実際に計算してみると次のような結果となり、びっくりします。

英語力の成長=100ページ×0.8の4乗=100×0.4096=40.96

なんと理解度が8割でも、英語力の伸びは100%理解している人の半分以下になってしまうのです。

 

この公式を見れば、理解できる本を読むことの重要さがわかります。

実際、冒頭でふれたケンブリッジ大学の研究では、文章に登場する単語の98%を知っていなければ多読の効果はでないと結論しています。

実は優秀な生徒や社会人ほど要注意。地頭の良さや知識量で内容を推測できてしまうからです。その場合、読んでるつもりでも実はインプット量を稼げていないという事態になりがち。

ここは謙虚に、自分にとって易しい本を選ぶようにしましょう。

 

わからないところは飛ばして読む

洋書を読む女性

辞書は多くても10ページに一回しか引かない。それでも理解できる本を多読する。これが多読のルールでした。

しかしそのぐらいの本を選んでも、わからない箇所はちょくちょく出てきます。単語もそうですし、文法が込み入っていて解読できないような箇所ですね。

ここで2番目の教訓が出てきます。そういう難しい箇所は飛ばしましょう。

ほとんどが理解できるレベルの本を選んでいますから、途中を飛ばしても大筋はつかめます。こうすればストレスをためることなく、多読を継続できます。

しかもこれによって前後の文脈から内容を推測する能力が伸びていきます。英語力だけでなく、読解力そのものも成長するんですね。国語も得意になります。

 

飛ばすコツはパラグラフ単位で理解すること

英語はパラグラフごとに意味のまとまりがありますから、パラグラフ内の重要な文(たいていは先頭の文)さえ理解しておけば、その他を飛ばしても大筋を追うことができます。

ちょっと考えてもわからない箇所は、遠慮なくスルーしましょう。

関連:【洋書】ペーパーバックを読破するテクニック【まずはHolesから】

 

読むのが苦痛なら途中でやめる

人の好みは千差万別です。どんなに評価の高い本でも、自分に合わないことはあります。

そういうときはすぐに投げ出しましょう。自分に合わない本を無理して読む必要はありません。これが3番目の教訓です。

無理に読むと学習効率も落ちてしまいます。最悪なのは多読の習慣が失われてしまうパターン。なにごとも、継続するにはしんどさの削減が必要です。

途中で投げ出すのって敗北感があってなかなか簡単ではないんですが、意地になっても得られるものは少ないですからね。つまんない、退屈だ、苦痛だ、と感じるような本は読まないようにしましょう。

何年かして読み返してみたら見事にハマったというパターンも多いです。今は読むタイミングじゃないと諦めて、そのへんに積ん読しておくのもいいですよ。

自分の興味関心を軸にして、面白そうな洋書や英語サイトを探していきましょう。

関連:洋書の多読ならこれを読もう【ジャンル別おすすめの名作13冊】

 

まとめ

最後に内容をまとめておきます。

英語多読のポイントは3つ
・辞書は使わない
・わからないところは飛ばして読む
・読むのが苦痛な本は途中で投げ出す

英語多読の効果については次の公式を覚えておくとよいでしょう。

多読による英語力の成長=読書量×理解度の4乗(理解度は0~1)

あとはこの原則にしたがって、面白いと思える英文を読みまくるだけです。

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