英作文の勉強では色々な本に手を出してきました。たぶん10冊以上は取り組んだと思います。
そのなかで一番効果があったと感じるのはこれ。
『例解 和文英訳教本 (文法矯正編)』と呼ばれるけっこう有名な参考書です。赤いカバーが目印。
全部で105題のセクションがあり、それぞれのセクションは1~2問の和文英訳問題から構成されています。基本的に見開き2ページで1セクション。
問題の解説が文法的に詳しい点がポイント。どのように書けばいいのか、またどのように書いてはいけないのかということが、理屈で理解できるようになっています。とにかく量をこなせ的なスタイルの英作文参考書が多いなかで、ここが本書の際立った長所になっています。
このシリーズは色々と出ていますが、とりあえず赤と青だけやっておけば間違いないでしょう。
以下、この参考書の使い方を解説します。
『例解 和文英訳教本』の使い方
さてこの参考書の使い方ですが、まずはいきなり問題を解いていきましょう。
このとき、紙に書く必要はありません。頭の中で英文を組み立てて、口に出して言うだけで十分です。これだけでアウトプット効果は発動します。
自分の不正確な英文を紙に書いてもそれほど効果はないですし、時間も労力もかかって継続が難しくなります。
次に解答例を見ます。「うわ、ここ間違えた」とか「こういう言い方すればいいのかよ」みたいな発見があったら、そこにラインを引きます。
その次に解説を読んでいきます。文法や単語の説明がくわしいのが本シリーズの長所。ポイントにマーカーを引きながら、じっくり読んでいきましょう。
最後にもう一度解答例の英文をチェック。紙に英文を書くとしたらここのタイミングです。自分の誤った英文を書くより、正答例の英文を書き写したほうが効果があります。そのさい音読しながら書き写すとさらに効果が上昇します。
復習はこまめに差し挟むのが正解です。ぶっ通しで最後まで終わらせてから復習するのではなく、たとえば10セクションが終わるたびに復習したほうが記憶に定着します。
復習は課題文を軽く口頭で英作文してみるだけで十分です。間違えた課題文は解答例を10回ぐらい音読しておきましょう。
この調子で最後まで終わったら、また最初からもう1周か2周してこのテキストは完了です。
英作文の参考書はなかなか決定打がない…
本シリーズのほかにも評判のいい参考書は試してみたのですが、どうもしっくりくるものが少ないんですよね。
『英作文基本300選』や『和文英訳の修業』の冒頭の500例文などをすべて暗記したけれども、それだけではまともな英文を書くことすらおぼつかない有様。
竹岡広信の『英作文が面白いほど書ける本』にも取り組みましたが、残念ながら、面白いほど書けるようにはなりませんでした。ボリュームはすごいんですが、解説の掘り下げが浅く、とにかく詰め込め覚えろ式の本だった気がします(そして詰め込んだところで確かな英文をスムーズに書けるようにはならない)。
佐藤優氏の売り文句に乗せられて伝説の『和文英訳の修行』にも手を出しましたが、高尚すぎ&難易度が高すぎで取りつく島もないといった感じ。
英作文の勉強はほんとに一筋縄ではいかないです。
というわけで、小倉弘の本書と『英文表現力を豊かにする例解和文英訳教本 公式運用編』(青いカバーが目印)で基礎力をつけ、それから長文の英作文へと進むのがもっともスムーズな道なのではないかと思います。
公式運用編は必須ではないと思いますが、まあ余裕があればやってもいいと思います。僕は文法矯正編を3周、公式運用編を2周しました。
長文に関しては本シリーズの長文編はあまり評判がよくないので、他の参考書を使ったほうがいいと思います。
おすすめは『英作文ハイパートレーニング自由英作文編』。長文の英作文では、たぶんこれが一番基礎的でわかりやすいです。
さらに上のレベルを目指すなら、ジャパンタイムズが出している英検の参考書(英作文問題完全制覇シリーズ)がおすすめ。英検公式が出している参考書よりもこっちのほうが評判がいいです。
英作文のおすすめテキストについてはこの記事↓にまとめてあるので、参考にしてみてください。瞬間英作文→短文→長文エッセイ→ネットの添削サービスの順番で解説しています。