英語学習をするのに理想的な時間帯はあるのでしょうか?
それに英語学習といっても中身は色々ですよね。長文読解、英文法、英単語暗記、英作文、リスニングなどなど。
それぞれの学習ごとに理想の時間帯はあるのでしょうか?
結論をいえばあります。
以下、脳科学の知見も参考にしつつ解説していこうと思います
午前中はゴリゴリと問題演習
午前中は1日のなかでもっとも頭の働きが冴えている時間帯です。
ですから、頭を働かせる勉強をこの時間帯に済ましてしまうことが重要になります。
英語学習でいえば長文や文法の問題集や英作文トレーニングなどですね。ゴリゴリ問題を解いていくスタイルがおすすめ。
リスニングも集中できる時間にやるのが鉄則です。こうして学習しおわった音声を、通勤や通学中などのスキマ時間に何度も聞くほうがいいんですね。逆のパターンにならないように気をつけてください。
関連:英語の聞き流しから効果を引き出す方法【多聴こそパワー】
また人間は空腹時に勉強の効果が上がることが知られています。午前中なら朝食前と昼食前の時間帯がそれに当たりますね。これも意識しておくとよいでしょう。
僕なんかは朝が苦手なものですから、朝食前に勉強をするなどということは人生で一度もやったことがないのですが、これができる人は有利ですよね。
なお朝食を取らないと昼前にガス欠になりますから、朝から勉強をするなら朝食はかならず食べるようにしてください。
午後は昼食直後ではなく夕食前に勉強
昼食直後は食べ物の消化にエネルギーを取られて頭が回りません。実は食後って勉強に向かないんですよね。この時間帯は無理に勉強しなくていいです。
どうしても何かやりたいという場合は、軽めの洋書を軽く読むとか、英語ニュースを軽く見るとか、自分にとってあまり負荷の高くない活動をするのがいいと思います。
逆に夕食前の空腹時が学習効果アップのチャンスです。
といっても午前中ほどの集中力とエネルギーは残っていませんから、午前中にこなすほど重くはない学習をここで行うとよいでしょう。
苦手分野を午前中に終わらせて得意分野をこっちに回すのがおすすめです。
例えば僕だったらリーディングはけっこう得意なので、リーディング以外の頭働かせる系を午前中に終わらせ、少ない負荷ですむリーディングは午後に回します。
夜は暗記の大チャンス
昼食のときと同じく、夕食直後も頭は働かないので勉強は避けます。
逆に就寝の1~2時間前は暗記のための時間です。寝る前に記憶したものは忘れにくいからです。
朝に暗記をしても、その後に色々なことを経験して記憶が上書きされていきますから、覚えたことを維持するのは難しいんですね。
逆に寝る前に覚えたことはその後の睡眠で記憶が整理されますから、忘却スピードが遅くなることが明らかになっています。
というわけで暗記ものは夜にやりましょう。英語学習でいえばなんといっても英単語の暗記ですね。英単語を覚えるなら朝ではなく夜です。
問題集やテキストの見直しもこの時間帯にやるのがおすすめ。朝や昼にやったテキストの内容をざっと確認しておくだけでも効果が出ます。
ちなみに復習の効果的なタイミングは翌日→1週間後→2週間後→3週間後の合計4回です。
関連:英語学習の復習はどのくらいのペースでやればいい?【コツ伝授】
まとめ
というわけで、時間帯ごとの理想的な学習内容は次のようになります。
・午前中は頭を使う勉強(問題集などをゴリゴリ解く)
・午後は午前中の補強(得意分野はこっちに回す)
・夜は暗記もの
具体例を示すと次のような感じになるでしょう。
・朝食
・昼食まで 長文読解の問題集、文法の問題集、英作文トレーニング
・昼食
・夕食前 長文読解の問題集
・夕食
・就寝前 英単語の暗記、テキストの見直し、午前中にマスターしたリスニング教材の流し聴き
なお本記事の参考文献は池谷裕二の『受験脳の作り方 脳科学で考える効率的学習法』。
英語学習にも応用がきく良書です。
よくある質問
Q1: 朝が苦手で午前中に勉強するのが難しいです。どうすればよいですか?
A: 朝が苦手な場合は、無理に午前中に勉強しなくても構いません。人間は朝のほうが脳が冴えているというのはあくまでも統計的な事実であり(科学とはそういうもの)、それがすべての人間に当てはまるわけではないので。もし朝に勉強するなら、軽めのリスニングや単語復習など、負荷の低い勉強を取り入れるとよいでしょう。
なお体質は年齢で変わることもあります。僕も学生時代は朝なにもできませんでしたが、今はむしろ朝が好調で、逆に昼食を食べると体調が終わります。
Q2: 夜に勉強すると寝つきが悪くなりそうで心配です
A: 就寝前の暗記学習は効果的ですが、スマホやPCのブルーライトが睡眠の質を下げる可能性があります。本やノートを使って勉強する、画面のブルーライトをカットする設定にするなどの工夫をしましょう。
またあまりにも内容がハラハラドキドキするような英文を読むのもよくないです。
これらに注意さえすれば、寝る前の学習や読書は、むしろ睡眠にプラスの影響を与えます。
Q3: 仕事や学校の都合で決まった時間に勉強できません。どうすればよいですか?
A: 毎日決まったスケジュールで勉強できなくても大丈夫です。自分の生活リズムに合わせて、空き時間を活用して学習を組み込むことが大切です。
この記事で解説したことはあくまでも指針なので、絶対に守らなければいけないわけでもありません。
Q4: 1日にどれくらいの勉強時間を確保すればいいですか?
A: 学習時間は目標やレベルによって異なりますが、初心者なら1日30分~1時間、中級者以上なら1.5~3時間が理想的です。大切なのは継続することなので、無理のない範囲で習慣化することを心がけましょう。
1時間勉強するにしても1時間ぶっ通しで勉強するよりも、30分を2セット、あるいは15分を4セットというふうに分割したほうがうまくいきます。
Q5: 週末にまとめて勉強するのは効果がありますか?
A: できれば毎日少しずつ学習するのが理想です。短時間でも毎日英語に触れることで、記憶の定着が良くなります。週末に重点的に復習するなど、平日と組み合わせて計画を立てましょう。定期的に英語漬けの日を確保する、というのは達人でもやっている人がいます。
Q6: 英語学習のモチベーションを維持するコツはありますか?
A: 目標を明確にし、小さな達成感を積み重ねることが重要です。例えば、「1週間で単語50個覚える」「1か月で英語記事を10本読む」など、短期で具体的な目標を設定しましょう。
中期では英検やTOEICといった試験を活用するのがおすすめです。

Q7: 学習を習慣化するコツはありますか?
A: すでに習慣となっている行動に英語学習を紐づけるのがおすすめです。寝る前に学習するというのはこれを応用したもの。
この観点からすれば食後に勉強するのは効果的です。食事は強力な習慣となっていますから、それに学習を紐づけると継続が容易になるんですね。食後の眠気がそうでもないタイプの人は、これを狙ってみるのもよいでしょう。

最近はnoteのほうにも英語学習の記事を書いてます↓
