科学的に正しい音読の方法はこれ【音声利用が不可欠】

外国語学習では音読が王道だってよくいうよね。とりあえず何も考えず音読しまくってるけど、これでいいのかな?

外国語の学習において、音読は強力な武器になります。シュリーマンや國弘正雄をはじめとして、数々の語学達人が音読を推奨していますよね。

しかし実は、音読学習には注意点もあるんです。

言語習得の科学的研究によって、どんな音読をすれば効果的で、どんな音読にはあまり効果がないか、わかってきたんですね。

音読はポイントを押さえておかないと本来の威力が発揮されないんです。それはモデル音声の利用が不可欠ということ。

この記事では門田修平の『音読で外国語が話せるようになる科学』を参考に、音読の正しい方法を解説します。

音読には5つの効果があります

まずは音読によって発動する学習効果をおさらいしておきましょう。大まかに効果をわけると、以下の5つがあります。

①リーディング力のアップ
②スピーキング力のアップ
③記憶の定着(プラクティス効果あり)
④自分の力量をモニタリング
⑤脳のウォーミングアップ

①と②はわかりやすいですよね。

まず音読によってリーディング力がアップしていきます。シャドーイングはリスニング力が向上しますが、視覚情報を音声に変える音読では読解力のほうが伸びるんですね。

また当然スピーキング力もアップします。

 

③記憶の定着は単なるインプットではなくプラクティス効果を伴います。これは習得した情報や技術の自動化のこと。

ただ覚えただけの知識って実践では使えないですよね。頭のなかに蓄えた知識を実践で使えるものにレベルアップさせること。これがプラクティス効果です。音読にはこのプラクティス効果があります。

 

④できるつもりでいても、実際にやってみるとできなかったりしますよね。音読はそうやって自分の弱点を発見できます。

そうして得た情報をフィードバックして、さらに実力上昇につなげていけるわけですね。これをモニタリング効果といいます。

 

⑤MRIを使った川島隆太らの研究によると、音読は脳の活性化をもたらします。与えられた単語を何語記憶できるかテストしたところ、いきなり挑戦した場合には平均8.3語だったのに対して、音読語では平均10.1語も記憶できたといいます。

ここから、学習を始める前に音読をしておくと学習効果がブーストすることがわかりますね。

 

以上の5点が音読の効果です。どれか一つの能力ではなく、英語力が総合的に伸びていくことになります。

 

音読の正しいやり方

アルファベットのフレーム

音読には大きく分けて5つの効果があることがわかりました。しかし実は音読には注意点があって、これをクリアしていないと上記の効果が発動しないんです。

注意点とはなにか?音声情報と視覚情報が、ぴったり一致していなくてはいけないのです。

音声を聞いてイメージする意味と、文字を読んでイメージする意味、これが正確に一致していなくてはいけないということです。これに失敗すると上記の5つの効果がフルに発動しません。

ではどうすればいいのか?

音読の対象となるテキストの音声を用意し、それを利用しながら音読するのが正解です。

モデルの音声を聞き、それをそっくり真似して音読する。このパラレルリーディングが音読の基本です。したがって、音読に使用できるテキストは音声が手に入るものに限られます。

これけっこう意外ですよね。音読はただ読むだけだとあまり効果はないんです。

 

ここでもう一つ大事なポイント。音声と同時に読んではいけないんです。

人間の脳には「選択的注意」と呼ばれる機能があります。これのために、聴覚情報と視覚情報の同時処理はできないんです。

音声を聞きながら、文章を音読できているような気はしますよね。でもそれは錯覚なんです。実は瞬時にモードが切り替わっていて、両方のモードを同時には使用できてはいません。この結果、パラレルリーディングに失敗してしまうのです。

したがってモデル音声を使った正しい音読では、音声に細かい区切りを入れながらその区切りごとに音読をします。一つの文章ごとに音声を止め、ポーズごとに音読を差し込むイメージですね。

 

なんだかめんどくさいなあ。まずテキスト全体を聞いて、それからテキスト全体の音読をしたら駄目なの?

たしかにそれができたらだいぶ楽なんですよね。しかし、それだと音声を聞き終わるころにはモデル音声が短期記憶から消えてしまっているんですね。だからいまいち効果が出ないんです。

音読の効果をフルに引き出そうとするなら、ワンセンテンスごとあるいは意味のかたまりごとに音声を中断し、そのたびに直前の音声を真似して音読するのが正解です。

 

さらに音読の効果をブーストさせるコツ

朗読する少年

基本的な音読のやり方は以上に説明したとおりです。ここからはさらに音読から効果を引き出すためのコツを紹介します。

まず重要なのが、自分のレベルに合った教材を使うこと。内容がわかっていないテキストを読みまくっても、それほど効果はありません。

シャドーイングに比べると難しめのテキストを使えるのが音読の特徴ではあります。聞くことに比べたら、読むことのほうが意味の理解にはハードルが低いんですね。

それでも、一読してすぐに意味が理解できるくらいの自分にとって易しめな文章を使うのが正解です。

 

また興味のもてる文章を選ぶのも継続のコツです。なるべく自分が関心のある分野から英文を取ってきましょう。

なんとなく重要そうだからって経済や政治のニュース記事を無理に音読する必要はないですよ。

 

さらに「なりきり音読」というテクニックも効果が抜群です。自分がその話者になったつもりで、聞き手や聴衆に話しかけるイメージで音読するんです。

なりきり音読の効果も科学的に実証済み。なりきりすぎると聴衆の目が気になり、緊張して疲れてきたりもするんですが、無理のない範囲で取り入れてみることをおすすめします。

これで音読の効果がさらにブーストします。

 

さらに音読について知りたい人には、この記事でも参考にした『音読で外国語が話せるようになる科学』を読んでみることをおすすめします。

音読って思ったよりハードル高いなと感じた人は多いと思います。僕はそう感じましたね。特に音声にポーズを入れる点が、慣れるまでは大変。

それがどうしても面倒だという人にはシャドーイングをおすすめします。実はシャドーイングのほうが気楽に学習できます。

シャドーイングは以下の記事を参考にしてください。

シャドーイングしても効果が出ない?【科学的に正しい方法を紹介します】
シャドーイングの効果がすごいらしいけど、正しい方法とかあるのかな?自分のやりかたで合ってるのかイマイチ自信がないんだけど… 英語学習には色々な方法がありますが、そのなかでも最強と目されているのがシャドー...

音読もシャドーイングも総合的に英語力をブーストさせますが、音読はリーディング力養成特化、シャドーイングはリスニング力養成特化な点に注意してくださいね。

似たような効果があるとはいえ、ここが明確に違います。読解力を伸ばしたい人はやはり音読がおすすめです。

 

まとめ

以上、正しい音読の方法について解説しました。最後にポイントをまとめておきますね。

・音読にはリーディング力アップ、スピーキング力アップ、記憶の定着、モニタリング、脳のウォームアップの5つの効果がある
・音読の効果をフルに引き出すにはモデル音声が欠かせない
・音声と同時に読むのではなく、音声の途中でポーズを入れてそこに音読を差し挟む
タイトルとURLをコピーしました