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中学生にも読める洋書はこれ【英語初心者におすすめのシリーズ】

昔から多読は外国語学習の王道でした。

今では第二言語習得研究によって、多読が英語力をブーストさせる効果をもつことが実証されています。

その効果を引き出すためのポイントは、自分のレベルよりもやや低めのレベルの英文を大量に読むことです。難しすぎる英文をいくら読んでも効果は薄いので要注意。

でもそのちょうどいいレベルのテキストを探し当てることがなかなか難しいんですよね。ちょうどいい難易度だなと思ったら内容がつまらなかったり、興味をもてそうだなと思ったら文章のレベルが高すぎたり。

そこでおすすめなのがLeveled ReadersとGraded Readersです。

Leveled Readersは英語圏の子ども向けの学習書。Graded Readersは英語学習者向けの洋書です。どちらもレベルが段階的にわけられていて、易しめのものなら中学生にも読むことができます。

このシリーズを活用すれば多読用の教材探しには困らなくなります。

以下それぞれをくわしく解説しますね。

ちなみに、もっと上のレベルの洋書を知りたいという人は次の記事を参考にしてください。

洋書の多読ならこれを読もう【ジャンル別おすすめの名作13冊】
英語学習の王道といえば洋書の多読。語学達人は決まって多読をおすすめしてきますよね。 どういったものを読めばいいのでしょうか? この記事では僕が読んだことのある約200冊のなかから、とくに面白くて読みやすい本を紹介します。 ...

Leveled Readersとは何か?

まずはLeveled Readersから解説します。

これは英語圏の子どもが読む学習書です。絵本が多いですね。アメリカやイギリスの小学校で、国語の教科書として使われていたりもします。

Leveled Readersといってもそれは各出版社から出ているシリーズを総称した名前で、実際には色んな種類があります。

とりあえず次の2つのシリーズだけおさえておけば大丈夫です。

1. Oxford Reading Tree (ORT)
2. I Can Read Books (ICR)

Oxford Reading Tree (ORT)

Oxford Reading Treeはイギリスのオックスフォード大学出版局が出している絵本シリーズ。

イギリスの小学校の8割が、このシリーズを国語の教科書として採用しています。

レベルは10段階に分かれていて、上のレベルに進むにつれて少しずつ英単語や文章がむずかしくなっていく構成。

すべての絵本で主要登場人物が共通している点が特徴。フランスの文豪バルザックの手法ですね。知っているキャラクターの誰かしらがかならず登場するため、世界観になじみやすいんです。

キッパーが主人公として活躍する物語が代表作です。


I Can Read Books (ICR)

I Can Read Booksはアメリカの学習絵本シリーズ。レベルは5段階に分かれています。

Oxford Reading Treeのアメリカ版といえますが、実はこっちのほうが少しレベルが高いです。

したがって本当の初心者はOxford Reading Treeから初めて、英語になれてきたら次にI Can Read Booksに進むといいでしょう。

おすすめの本はI Can Read Booksから出ているFrog and Toadシリーズです。アーノルド・ローベルによる有名作品。日本語にも訳されています。

まず有名な作品を読んでみたいという人は、これから入るのがおすすめです。


Graded Readersとは何か?

次にGraded Readersを解説します。

こちらは英語学習者のためにアレンジされた読み物。有名な名作をわかりやすい文章に書き換えたものが多いです。とはいえ完全新規作品もあります。

Graded Readersも各出版社が出しているシリーズの総称で、実際には色んな種類があります。

こちらも種類が多いのですが、とりあえずは次の3つを押さえておけば大丈夫です。

1. Pearson English Readers (PER)
2. Oxford Bookworms (OBW)
3. Cambridge English Readers (CER)

Pearson English Readers (PER)

もっとも収録タイトルの多い王道シリーズです。

レベルは7段階に分けられています。有名作品を英語学習者向けに読みやすくアレンジしたタイトルが多いですね。たとえばアガサ・クリスティとかジョン・グリシャムとか。

巻末に単語リストがあるのも便利です。これを利用すれば多読とボキャビル増強を無理なく融合させることができます。

ちなみにこのシリーズ、昔はPenguin Readers (PGR)という名前で親しまれていました。

おすすめ作品はシェイクスピア。元の戯曲をわかりやすく編集していて、物語形式で内容を知ることができます。


Oxford Bookworms (OBW)

オックスフォード大学出版局によるGraded Readersです。これも権威のあるシリーズ。

こちらもレベルは7段階にわかれています。

古典的な作品の簡約バージョンが多いですね。たとえばユゴーの『レ・ミゼラブル』やコナン・ドイルのシャーロック・ホームズなど。

やはり巻末に単語リストがついています。

おすすめは『レ・ミゼラブル』ですね。日本語版が文庫で5冊のボリュームになるほどの作品ですが、それを56ページに圧縮しています。レベルも1なのでもっとも読みやすい部類。


Cambridge English Readers (CER)

こちらはケンブリッジ大学出版局が出しているシリーズ。やはりレベルは7段階。

このシリーズの特徴はすべてオリジナル作品というところ。ミステリーやラブコメなど読みやすいものが揃っています。新規作品が読みたいという人にはこのシリーズがおすすめですね。

なお公式サイトから音声の無料ダウンロードも可能です。多読と多聴を融合させたいという人には最強のシリーズかもしれません。

ただし公式サイトはめちゃくちゃ使いにくいので覚悟しておいてください(笑)


Leveled ReadersとGraded Readersどっちを読めばいいの?

英語圏の子どもの学習書がLeveled Readersで、英語学習者向けに書かれた洋書がGraded Readersなのでした。

こうやって聞くとGraded Readersのほうが読みやすそうなイメージがあるかもしれませんが、実はイメージに反してLeveled Readersのほうが簡単です。絵本が主体ですからね。

したがって英語の初歩から始めるひとは、まずLeveled Readersの絵本をたくさん読むのがいいです。

Leveled Readersの最上位レベルでも簡単すぎると感じるようになったら、Graded Readersに移行してください。

 

中学や高校の英語をある程度マスターしている人なら、いきなりGraded Readersに突撃しても大丈夫だと思います。その場合でもなるべく簡単なレベルから初めて、少しずつ難易度を上げていくのが結局は近道です。

普通のペーパーバックに移行できる実力がついたかどうかは、Holesを読むとわかります。これが読破できるようなら易しめのペーパーバックに移行するようにしてください。

あとはひたすら物語を楽しみつつ量を稼ぐだけですね。とりあえず100万語を目指しましょう。100万語を超えると英語力が別次元に移行します。

さらに300万語を達成すれば、普通の洋書もすらすら読めるレベルに到達できるでしょう。

 

洋書を読破するコツについては次の記事を参考にしてみてください。

【洋書】ペーパーバックを読破するテクニック【まずはHolesから】
洋書ってどうやったら最後まで読み通せるの?ぜったい途中で力尽きるんだけど… この記事では以上のような悩みに答えようと思います。 僕がいままでに読んだ洋書はのべ250冊ほど。2009年から多読を始め...

まとめ

最後にざっくりと内容をまとめておきます。

・英語多読の初心者はLeveled ReadersとGraded Readersを活用すべし
・Leveled Readersは英語圏の子ども向け学習絵本
・Graded Readersは英語学習者向けにアレンジされたり書き下ろされたりした洋書
・Leveled Readersのほうが簡単なので初歩から学ぶ人はこっちから
・Holesを読めるようになったら普通のペーパーバックに移行してオーケー
・まずは100万語を目指そう

わたくし最近はnoteのほうに英語学習の記事を書いてます。名作の英文読解とかニュース動画でボキャビル増強とかやってるので、よければフォローお願いします↓

chaco@英語|note
英語の独学法を解説します。遍歴:実務系英語翻訳、ライティング、英語コーチング。新形式TOEIC900点。TESOL120h(ITT)。洋書はのべ300冊くらい読了。英語ブログ→
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