「TOEICのリスニングが聞き取れない…」
そんな悩みを抱えていないでしょうか?
英語を聞き取れないのには明確な理由があり、それに応じた対策をすれば、短期間でスコアアップが可能です。
僕もリスニングには苦手意識がありました。しかしそれをどうにか克服し、TOEIC900点を取ったときはなんとリスニングセクションのほうがスコアが上だったんですよね。
その経験も混じえ、本記事ではTOEICリスニングが聞き取れない3つの理由を解説し、それぞれに効果的な対策を紹介します。
さらに、スコアを最短で伸ばすコツや、おすすめの教材も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
TOEICリスニングが聞き取れない3つの理由
TOEICのリスニングが聞き取れない理由は、主に次の3つです。
・アメリカ以外の英語に慣れていない
・途中で集中力が切れてしまう
1. 語彙力が足りない
そもそも基礎的な語彙力が身についていないと、リスニング問題は解けません。
たとえ音として聞き取れたとしても、意味がわからないからです。
そのため、語彙力が足りない状態でいくら英語を聞いても、スコアアップには繋がりません。
リーディングでは文脈からの推測でなんとかなっても、リスニングでは意味を推測している余裕がないので、語彙力の不足が弱点として出やすいんです。
TOEICではビジネスに関する話題が多く扱われるため、中学・高校で学んだ単語だけでは不足しています。
ビジネスや時事に関する語を中心に暗記し、問題演習の前に語彙を増やしておく必要があります。
2. アメリカ以外の英語に慣れていない
TOEICのリスニングでは、アメリカ英語だけでなく、イギリス、カナダ、オーストラリアの英語も出題されます。
特に、イギリス英語とオーストラリア英語の発音はくせ者です。イントネーションに慣れていないと、「聞いたことのある単語なのに理解できない」ということが起こりやすいです。
例えば、”advertisement”(広告)はアメリカ英語では「アドヴァータイズメント」、イギリス英語では「アドヴァティスメント」と発音されます。
こういう違いに慣れていないと、知らない単語だと勘違いしてしまうことがあります。
対策としては、TOEICの公式が出しているリスニング問題集(後述)することです。本番のナレーターと同じ人が話しているので、発音のクセに慣れることができます。
3. 途中で集中力が切れてしまう
TOEICのリスニングは約45分間続きます。その間、一度も音声が止まることはなく、次々と問題が流れてきます。
普段から長時間英語を聞く訓練をしていないと、試験の途中で集中力が切れ、後半の問題が全く聞き取れなくなることがあります。
特に、パート3(会話)やパート4(説明文)は情報量が多く、聞き取るべきポイントが増えるため、集中力が続かない人にとっては大きな壁になります。
対策としては、
・TOEICのリスニング問題を「1.5倍速」で聞いて、通常速度の音声がゆっくりに感じるようにする
・試験本番を想定して、45分間ノンストップでリスニング問題を解く練習をする
…などが挙げられるでしょう。
リスニングは単に英語力だけでなく、試験の形式に慣れることも大事です。特に、長時間のリスニングに慣れておくことで、試験本番でも集中力を維持しやすくなります。
TOEICリスニングを聞き取れるようになる勉強法
TOEICのリスニングは、正しくアプローチをすれば誰でも聞き取れるようになります。
これから紹介する勉強法を取り入れてみてください。
・TOEICの問題演習をする
・シャドーイングを取り入れる
1. 英語を聞く量を増やす
英語を聞く量を増やすことが、リスニング力向上の最も基本的な方法です。
リスニング力が伸びない理由の一つは、「英語を聞くこと自体に慣れていない」ことにあります。
特に初心者の場合、英語の音に対する脳の処理が追いつかず、単語の認識や意味理解がスムーズにできません。
そのため、まずは「英語の音を聞くことに脳を慣れさせる」ことが重要です。
できるだけ毎日英語を聞く習慣をつける
1日10分でもいいので、英語を聞く時間を増やしましょう。毎日続けることで、脳が英語の音に慣れ、聞き取りやすくなります。
リスニングをする時間帯を固定してしまったほうがいいです(たとえば朝起きてすぐなど)。そのほうが習慣化が容易になります。
リスニング素材を工夫する
リスニング教材は、自分の実力よりもちょっと下ぐらいのものを使うのが正解です。スクリプトを読んだときに、スラスラ意味が理解できないようだと、その教材はレベルが高すぎます。
おすすめの教材としては、
・中学生や高校生向けのリスニング参考書
・TOEICのリスニング教材
・NHKラジオ英会話
…などがあります。
海外ニュース(BBC、CNN、ABC News)、映画やドラマ(Netflixの英語字幕付き視聴)、YouTubeは難しいので、メインにはしないほうがいいです。
2. TOEICの問題演習をする
英語を聞く習慣がついたら、実際にTOEICのリスニング問題を解く練習をしましょう。
TOEICのリスニングでは、日常会話・ビジネス英語が中心ですが、問題の形式に慣れていないと、実力が十分でもスコアが伸びません。
そのため、TOEIC特有の問題形式に慣れることが重要です。
TOEIC公式問題集(もしくは公式が出しているリスニング問題集)を使って、本番と同じ形式でリスニングを解きましょう。
最低でも3回は解くことがポイント。
1回目は普通に解き、2回目はスクリプトを見ながら音声を確認することで、どこを聞き逃していたのか分析できます。
そして3回目はもう一度なんのヒントも見ずに解いて、ちゃんと正解を導き出せるかを確認します。
知らない単語があったら意味と音をすべて暗記しましょう。
3. シャドーイングを取り入れる
シャドーイングとは、英語の音声を聞きながら、そのまま真似して発音する練習のことです。
これはリスニング力を劇的に向上させる効果があります。
なぜシャドーイングが効果的なのか?
☑発音・リズム・イントネーションを体で覚えられる
→ ネイティブの発音パターンを理解できるため、聞き取りやすくなる
☑英語の処理速度が速くなる
→ 音声を聞いた瞬間に理解する力がつく
☑リスニングとスピーキングの両方が鍛えられる
→ 発音が良くなることで、単語の聞き取り精度も向上する
効果的なシャドーイングの方法
シャドーイングは以下の順序で行います。
→ 知らない単語の意味や発音を確認する
2. 音声に続けて発音する(スクリプトを見ながら)
→ 発音やリズムを意識して真似する
3. スクリプトを見ずにシャドーイングする
→ 実際のリスニングと同じ状況を作ることで、英語の処理速度を上げる
シャドーイングはかならずスクリプトのある教材を使ってください。スクリプトを見て英文を確認できないと、効果が半減してしまいます。
シャドーイングの正しいやり方について解説した記事はこちら↓
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短期間でTOEICのリスニングスコアを伸ばす3つのヒント
TOEICのリスニングは「慣れ」が大切ですが、正しい方法で対策すれば短期間でもある程度のスコアアップは可能です。
特に効果が高い3つのテクニックを紹介します。
1. 頻出単語を覚える
TOEICリスニングは日常会話やビジネス英語が中心です。そのため、頻出単語をあらかじめ覚えておくと、聞き取れる範囲が大幅に広がります。
どんな単語を覚えるべきか?
TOEICには特に頻出する単語や表現があります。例えば、以下のようなものですね。
ビジネス用語:invoice(請求書)、shipment(出荷)、meeting(会議)
日常会話:appointment(予約)、available(利用可能な)、reschedule(予定を変更する)
特にPart 1(写真描写)やPart 3・4(会話・説明文)では、こういうタイプの単語を知らないと内容を推測するのが難しくなります。
TOEIC頻出英単語の効果的な暗記法
単語を暗記するときは、音声とセットで覚えるのがポイントです。
単語を「意味」だけでなく「音」とセットで記憶することで、実際の試験でスムーズに理解できるようになります。
おすすめのテキストは『銀のフレーズ』と『金のフレーズ』です。TOEICに特化した内容になっている大人気英単語テキスト。
音声は無料でダウンロードできます。かならず音声をダウンロードして、音声といっしょに単語を覚えていきましょう。
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2. 疑問詞に注目しながら聞く
Part 2(応答問題)では、疑問詞(Who, What, Where, When, Why, How)を聞き取れるかどうかがスコアを大きく左右します。
なぜ疑問詞が重要なのか?
疑問詞の種類によって、求められる答えのパターンが決まるからです。
When → 時間を尋ねる(tomorrow, next week, at 3 p.m. など)
Who → 人を尋ねる(Mr. Smith, our manager など)
もし疑問詞を聞き逃してしまうと、選択肢を選ぶのが非常に難しくなります。
疑問詞をちゃんと聞き取れれば、ひっかけ問題に惑わされることも減ります。
例えば、「When is the meeting?(会議はいつですか?)」に対して、「Mr. Smith will join us.(スミスさんが参加します)」のように、質問と無関係な答えが紛れていることがよくあります。
最初のWhenさえ聞き取れていれば、このひっかけ選択肢を選ぶことはなくなりますよね。
3. 選択肢を先に読む
Part 3・4(会話・説明文問題)では、音声を聞く前に選択肢をざっと確認しておくと、内容を理解しやすくなります。
選択肢の先読みにどんな効果があるかというと…
・重要なキーワードを意識しながら聞ける
・聞き逃しても推測がしやすい
例えば、選択肢が以下のような場合を考えてみましょう。
Q. What will the man do next?
(A) Make a phone call
(B) Visit a client
(C) Check an email
(D) Leave the office
音声を聞く前に選択肢を見ておけば、「この問題では ‘next’(次に何をするか)に注目すればよい」と分かりますね。
本番の試験では時間が限られているので、すべての選択肢を完璧に読む必要はありません。ざっくり「どんな話か」を把握することが大切です。
TOEICリスニングが聞き取れない人におすすめの教材
TOEICのリスニングスコアを上げたい人におすすめの教材を紹介します。まずは以下の3つを検討してみるのがよいでしょう。
・公式TOEIC® Listening & Reading トレーニング 2 リスニング編
・音読特急
・スタディサプリENGLISH TOEICテスト対策コース
公式TOEIC® Listening & Reading トレーニング 2 リスニング編
公式が出しているリスニング問題集です。
なぜこれがおすすめかというと、ナレーターが本番試験と同じだから。
クセの強いTOEICリスニングでスコアを伸ばすためには、本番形式の音声に慣れておくことが重要です。
また本番よりも若干難易度が低いのも、本書をおすすめしやすいポイント。いきなり公式問題集に突撃するよりも、心を折られる可能性が低くなります。
音読特急 速聴力をつける
これは2022年に発売された新しいテキスト。パート3とパート4に特化した学習ができます。
問題演習と音読トレーニングを組み合わせているのが特徴。一つの問題をじっくりと何度も何度も味わう構成になっていて、初心者でもとっつきやすい教材です。
これをしっかり学習していけば、TOEICの形式に慣れつつ、英語のリスニング力そのものが大幅に底上げされるでしょう。
スタディサプリENGLISH TOEIC® L&R TEST対策コース
アプリで学習したい場合は、「スタディサプリENGLISH」のTOEIC対策コースが最適です。
単語学習や問題演習に加え、ディクテーションやシャドーイング機能も搭載。スマホだけで効率的に学習を進めることができます。
プロ講師による講義動画も非常に有益です。特に初心者の方は、この講義動画から得られるものが多いでしょう。基礎力をしっかり固めながらスコアアップを目指せます。
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よくある質問
最後に、TOEICリスニングの聞き取りについてよくある質問をまとめました。
Q1. TOEICのリスニング対策として、聞き流しは効果がありますか?
英語をたくさん聞くことは大切ですが、「聞き流し」だけでは十分な効果を得るのは難しいです。
BGMのように英語を流しているだけでは、脳が雑音と判断してしまい、リスニング力は向上しません。
多聴をする場合、「意味が理解できている音声」を聞かないと効果が発動しません。
もし聞き流しをする場合は、一度完全に聞き取りをマスターした文章だけを繰り返し聞くようにしてみてください。
Q2. まったく音声が聞き取れないのですが、どうすればいいですか?
聞いている音声のレベルが高すぎる可能性が高いです。
リスニングは自分の実力よりもちょっと下の教材を使うのが鉄則です。スクリプトを読んでスラスラ理解できるレベルのものですね。
まずは、シンプルな単語や表現が使われ、はっきり発音されている音声を選び、再生速度を落として聞いてみてください。
中学1年生向けの教材や子供向けの動画から始めるのもおすすめです。
焦らず何度も聞くことで、耳が慣れていき、必ず聞き取れるようになります。
Q3. TOEIC本番の試験会場で音声が聞き取れません。どうしたらいいですか?
本番では緊張してしまい、普段の実力を発揮できないことがあります。本番だからと気負いすぎず、できるだけリラックスした状態で臨むことが大切です。
試験当日におすすめの行動は次の2つ。
・会場までの道のりで英語の音声を聞き続ける(耳を英語モードにする)
・早めに会場に入り、雰囲気に慣れる
この方法を試せば、試験が始まるころには緊張が和らぎ、リスニングのパフォーマンスが向上しやすくなります。
Q4. 設問を読みながら音声を聞くべきですか?それとも音声だけに集中すべきですか?
基本的には、音声を聞いている間はリスニングに集中するのがベストです。
理想的な流れは次のようになります。
・音声を聞く
・答えが分かったら、すぐにマークする
・その後、次の設問を先読みする
人間の頭は視覚情報と音声情報を同時処理できません。それができているように見える人でも、実は2つのモードを超高速で切り替えているだけなんです。
よほどの語学力がないとこれは無理なので、まずは音声だけに集中するのがベストです。ちなみに僕は先読みの後、目を閉じて音声を聞きます。
Q5. ディクテーションに効果があると聞きましたがやるべきですか?
効果はあります。できるならやったほうがいいでしょう。
ただし負荷の高い学習法ですので続けるのは大変です。勉強自体が嫌になってしまう危険性も高いので、無理にやる必要ありません。僕もディクテーションはやらない派です 。
ディクテーションを試したいなら上述のスタサプアプリもおすすめ。あれこれと道具を揃える必要がなく、スマホ1台で完結するので、敷居が低く続けやすいです。
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まとめ
最後に記事をざっくりまとめておきます。
【聞き取れない3つの理由とその対策】
1. 語彙力が足りない
・ビジネスや日常会話の頻出単語を覚える
・『銀のフレーズ』などのTOEIC特化教材を活用する
2. アメリカ以外の英語に慣れていない
・イギリス、オーストラリア英語の発音を意識する
・TOEIC公式リスニング教材で本番の発音に慣れる
3. 途中で集中力が切れてしまう
・45分間ノンストップでリスニング演習を行う
・1.5倍速の音声を使って集中力を鍛える
【スコアアップのための勉強法】
✅ 英語を聞く量を増やす
– 毎日リスニング習慣をつける(NHKラジオ英会話など)
– 自分のレベルに合った教材を選ぶ
✅ TOEICの問題演習を繰り返す
– 公式問題集を最低3回解く(1回目: 通常、2回目: スクリプト確認、3回目: 再挑戦)
– 知らない単語は「意味+音」で暗記する
✅ シャドーイングを取り入れる
– ネイティブの発音・リズム・イントネーションを体に覚えさせる
– スクリプトを確認しながら練習 → 最終的にスクリプトなしで挑戦
【短期間でスコアを伸ばす3つのコツ】
🔹 頻出単語を重点的に覚える
– ビジネス・日常英会話の単語を優先的に暗記
– 音声付きの単語帳を活用(『金のフレーズ』『銀のフレーズ』)
🔹 疑問詞(Who, What, Where, When, Why, How)を意識する
– Part 2(応答問題)で疑問詞を聞き取るだけで正答率が向上
🔹 選択肢を先に読んで話の流れを予測する
– Part 3・4(会話・説明文問題)は事前に選択肢を確認し、重要なキーワードを意識
効果的な学習法を継続すれば、リスニングスコアは確実に向上します。今日から実践して、TOEICのリスニングを得点源にしましょう!
TOEIC初心者向けに、600点を達成する方法を解説した記事↓
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