スピーキングの参考書をうまく使うことで、色々な英語トレーニングをかけ合わせて、相乗効果を得ることができます。
たとえば次のような効果がすべて発動します。
・ライティング力アップ
・リーディング力アップ
・リスニング力アップ
・記憶力アップ
ひとつの学習で、なるべくたくさんの方法をかけ合わせて、なるべくたくさんの効果を得る。これが語学学習のコツのひとつとされます。
スピーキング学習はそれを実現してくれる手っ取り早い方法のひとつです。
では、具体的にはどういう方法でスピーキングテキストを使えばそれが実現できるのか?
僕はいま川端淳司の『TOEFL TEST対策 iBTスピーキング』というテキストを使って学習しているので、この本を例にやり方を解説しますね。
これ評判がよかったので買ったのですが、実際すごく使いやすい良書です。
1.設問に答えてスピーキング力と英作文力アップ
まずは普通に参考書の設問に答えていきます。
必ず音声を使います。「次のテーマについて話してください」みたいなナレーションが入るので、なんとかそれなりの英文を組み立てて話すようにします。
これは当然スピーキングの訓練になります。同時に、英作文の力もつきます。
青山正妥が『英語学習論』で指摘するように、スピーキングの訓練は英作文の訓練にもなるからです。わざわざ紙に書かなくても、スピーキングの訓練をしていればライティング力も伸びるんです。
2.模範解答を音声で聞いてリスニング力アップ
まがりなりにも自分で英文をアウトプットし終わったら、次に模範解答を音声で聞いていきます。
いきなり模範解答を読んでいくのではなく、まずは音声を聞き取ることに集中するんです。
これによって学習のなかにリスニングトレーニングが組み込まれ、スピーキング学習でリスニング力のアップまで狙えます。
後のシャドーイングの段階にもつながりますから、絶対に音声のある教材をつかいましょう。
リスニングの正しいやり方については以下の記事を参考にしてください。

3.模範解答の精読でリーディング力アップ
次は模範解答を読んで答え合わせしていきます。
自分が話した英文とはまったく次元の違う解答が書かれていて、ショックを受けることはほぼ確実だと思います。でも気にしないで続けましょう。Toefl満点の青山正妥ですら模範解答のような完璧な英語はしゃべれないそうですから。
リスニングで聞き取れなかったところはないかチェックします。
単語や熟語で気になるものがあったらラインを引くようにしてください。線を引いたところを後々の音読のさいに意識しながら読めば、吸収が早くなります。
このステップでは模範解答を完璧に理解しようとして読むので、精読の訓練になります。ここでリーディング力もアップするというわけです。
4.模範解答のシャドーイングでリスニング力とスピーキング力アップ
まだまだ終わりません。次に模範解答の音声を利用してシャドーイングの訓練をしていきます。
模範解答の音声を聞きながら、それに従ってほぼ同時に文章を読み上げていくのです。
シャドーイングは最強の英語学習法のひとつで、リスニングとスピーキングの力がアップします。これはほんとに効果がすごいので、ぜひとも取り入れてください。
シャドーイングの正しいやり方については以下の記事を参考にしてください。



5.お気に入りの模範解答を暗唱してリーディング力と記憶力アップ
最後のステップです。「これはいいな」とか「これは使えるぞ」とか感じた模範解答を繰り返し音読し、完全に暗記してしまいます。
これは音読と暗唱の訓練ですね。英単語や言い回し、さらに長文の組み立て方を脳に定着させる効果があります。これが読解力や英文ライティング力の向上につながります。
おまけに記憶力そのものもアップします。
音声付きスピーキング教材を使おう
僕はTOEFLのスピーキング参考書を使って以上の学習法を取り入れていますが、別に同じ教材でなくとも同様のトレーニングはできます。
ちゃんと音声が付いていて、アマゾンとかでそこそこの評価を得ているスピーキング教材ならなんでもオーケーですね。
たとえば英検なら『面接大特訓』という評判のいいテキストがありますが、あれを同じようにして使うことができると思います。3級から1級までレベル別にテキストが出ています。
模範解答に登場する英文が易しめに感じる教材を選ぶのがコツです。リスニングやシャドーイングは易しめの英文でないと効果が出にくいですからね。
模範解答をチェックするときにスルッと読めないテキストはやめておきましょう。
まとめ
以上、スピーキングの参考書を使って様々な英語トレーニングをかけ合わせる方法を解説しました。
最後にざっくりまとめておきます。